花と食で彩る日本の暦〜二十四節気『清明』_1

古来より日本の季節と文化によりそって、その節々に祝いや祈りを込めて受け継がれてきた「和暦」。五節句、二十四節気、七十二候というそれぞれの気候や生き物の変化を知らせる区切りの名。いま、時は四月『清明』の節気。時候の花と日本人の暮らしを深める連作のプロジェクト『めぐり花』などで活動する、フラワーアーティストの塚田有一さんに伺いました。

『万物発して清浄明潔なれば此芽は何の草としれる也』

春がいよいよ盛りを迎える「春分」に次ぐ二十四節気のひとつが「清明」です。

江戸時代の書『暦便覧』には「万物発して清浄明潔なれば此芽は何の草としれる也。」と、清明を解説しています。

いまではどのくらいその風習が残っているか分かりませんが、沖縄ではこの節気を「清明(シーミー)」と呼び、家族あるいは親族でお墓へ出かけ、掃き清めた後、持参した花や贄(にえ)をお供えするといいます。拝礼したのちに、彼方から訪れる祖霊の御霊(みたま)とともに賑やかに馳走を食べ、三線をつま弾き、酒を飲み交わすそうです。お正月という一年の区切りがあったとしても、花咲き、草木の芽吹くこの季節は、五体も五感も目醒めを実感するのでしょう。再生したばかりの生命の無事の成長と秋の実りを、ニライカナイからやってくる祖霊に願うのですね。

「春分」は、お彼岸の中日に当たります。東と西が一直線となり、仏教では西の極楽浄土と現世が繋がるとされ、墓前に花を供え、お線香をくゆらせて祖霊に想いを馳せるのです。「想う」ことは「弔う」こと。花は古来、心の形代であり、あの世とこの世を繋ぐものでした。春と秋、それぞれ季節の花から「牡丹餅(ぼたもち)」「お萩」と名を変える餡で包まれた餅を供えるのも、お彼岸に広く見られる風習でしょう。ハレの日、白い餅で清浄な魂を象(かたど)ります。赤い小豆の餡は魔除けであるともに、活力をも意味するのです。

春迎えの儀式、「お花見」で祝い祈られた豊穣のしるし

花と食で彩る日本の暦〜二十四節気『清明』_2

清明の頃、平地の里桜はすでに葉桜でしょうか。東京は八重桜がまだ咲いているかもしれません。日本列島は南北に長いですから、春の遅い所ではいまだこれからの所もあります。1ヶ月以上かけて桜前線は列島を駆け上ります。

考えてみれば古く「お花見」といえば、いわゆる里桜ではなく山桜でした。山桜はまだ芽吹き前の眠りの中にいる山で、あらゆる花に魁(さきがけ)て開花します。それは冬枯れ色の山にともる明かりのようにも見えるでしょう。ほんのりいろづいた山桜の花は春の訪れを告げ、農作業に取りかかる印でもありました。

人々は山桜の下に集まり、宴をしました。花は秋の実りの先触れなのです。花が咲けば咲くほどに、実りは約束されます。ですから、もっと咲け、長く咲けと囃(はや)し立て、酒盛りをします。「囃す」とは「生やす」ことなのです。樂を奏で、歌い舞い、手拍子も加わって、山の精と一体になって遊ぶことで、人々もその力を分けてもらい、自らも新しい活力を得て再生するのです。

人々は皆、この花のいのちの短いことは知っています。美しいものは、果敢(はか)ない。それを惜しみ、精一杯讃えることが再生を願うことにもなるのでしょう。

「お花見」の根っこには、日本と言う國において、山が祖霊の魂の眠る場所だと言う観念も潜んでいるようです。

人々は季節ごとに山へ入り、自然の息吹やいのちの糧をもらってきたものです。お正月の松、人日の七草、雛祭りの桃や蓬、お花見の桜、端午の菖蒲、七夕の竹などなど。山はいつでも季節ごとに人が入るのを許容し、エネルギーを分けてくれます。彼らの息吹に触れて、人々も再生を繰り返すのです。そしてその山には、祖霊の魂が眠っていて、里を守ってくれていると考えました。花見の宴は彼らを饗応するものでもあったのでしょう。米づくりが盛んになると、山の神と呼ばれ、秋の稔りのころまで里に降りてきて、田んぼを見守ってくれると見なされました。お花見は、山の神を田の神となってもらうべく迎えにいく行事でもあったのです。

こんな風に見てくると、お花見も沖縄の「シーミー」やお彼岸の行事に近いものだと分かります。桜前線が北上し、紅葉前線は南下する「花綵(かさい)列島」である日本。海に囲まれ、山や谷の襞(ひだ)が複雑な地形を成すこの島国では、海には海の、里には里の、山には山の、それぞれの「春迎え」があるのです。

ほかにも4月8日の灌仏会(かんぶつえ、お釈迦様の誕生日とされる)に限らず、各地で「花祭り」が行われますし、ヨーロッパで盛んな「イースター」も、もとは春の女神の再来を喜ぶものでした。暗く長く寒い冬がようやく明け、冷え震えていた命が、発(は)る春。山笑い、天地(あめつち)が歓喜の歌を歌う春の到来を祝う行事は世界各地で繰り広げられるのです。

食べることは旅、季節の力をいただく春の祭りにでかけましょう

花と食で彩る日本の暦〜二十四節気『清明』_3

清明の日は七二候では「つばめ至る」。春告鳥のつばめが飛来し、空で翼をひるがえす季節になります。古くは「つばくろ」と呼ばれました。「つば」は「つばき」と同じように艶のあるという意味でしょうか。つやつやの黒い羽は、輝くみどりにも見えます。海の果てから、いつも同じ頃にやってくる燕の不思議。人家の決まった所に巣作りをして繁殖するので、先祖が姿形を変えて訪れるのだと考えられました。それで、大切にされたのです。

清き、明(あか)き、直(なお)き春。みどりが産声をあげる盛りに、お弁当やお酒を携えて出掛けましょう。遠くまで行かなくても土手や神社や公園でもいいですね。散歩するなら線路脇の手つかずの土手とか……見つけさえすれば。彼らみどりの息吹を浴びることで、身が洗われ、たくさんの栄養をもらえます。

「食べる」とは「旅」とも通ずるのです。人は動物ですから、動いて旅しなければ食べ物にありつけません。「旅」の語源が「賜(た)ぶ」であると同じように、「食べる」ことは「賜(たまわ)る」ことなのです。

野や山はいつも、人々にとって新たに栄養を得て、枯渇しがちなこの身と心の再生の場。茶道の露地、庭園や生け花はこうした場所を身近に引き寄せる物でしたし、お節供などの行事もアッという間に過ぎてしまう暮らしのなかに、野や山の風を取り込むために生み出されたと思います。雛祭り、清明、お花見、たくさんある春の祭りに、このことは記憶され続けています。

花と食で彩る日本の暦〜二十四節気『清明』_4塚田有一(つかだ ゆういち)

ガーデンプランナー/フラワーアーティスト/グリーンディレクター。 1991年立教大学経営学部卒業後、草月流家元アトリエ/株式会社イデーFLOWERS@IDEEを経て独立。作庭から花活け、オフィスのgreeningなど空間編集を手がける。 旧暦や風土に根ざした植物と人の紐帯をたぐるワークショップなどを展開。 「学校園」「緑蔭幻想詩華集」や「めぐり花」など様々なワークショップを開催している。

温室  http://onshitsu.com/

文: 塚田有一

写真:みやはらたかお(1、2枚目、ギャラリー内のひよどりと桜)

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秋グルメの最高峰!? トリュフ香る贅沢スープ

カフェプルニエパリのクリームスープ バゲット付
カフェプルニエパリのクリームスープ バゲット付

<カフェ プルニエ パリ>クリームスープ フレッシュトリュフを添えて 3,240 円(税込)

パリ・マドレーヌにあるカフェレストラン<カフェ プルニエ>の日本第一号店が、2018年10月5日(金)に伊勢丹新宿店にオープン! ぜひとも味わいたい季節限定メニューがこのスープ。イタリア産フレッシュ黒トリュフと、フォアグラを贅沢に使った一品です。添えられたエディアールのバゲットに、卵黄を溶かしたスープをたっぷりとしみ込ませれば、さらに美味しさ倍増! スープボウルから立ち上るスライストリュフの香りと、濃厚なフォアグラ、クリームスープが三位一体となって醸し出す、美食体験をぜひ!

※取扱い:伊勢丹新宿店
※販売期間:10月17日(水)~31日(水)

文: 原口りう子

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=プラ ド エピスリーにてお取扱いがございます。またピエール・エルメ・パリの商品の一部は伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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1粒300円超え! 地味だけど唸る美味しさ

ぼうだい本舗の露渋栗
ぼうだい本舗の露渋栗

<ぼうだい本舗>露渋栗(1個入り) 335円(税込)

京都の老舗甘納豆店<ぼうだい本舗>の「露渋栗」は、なんと1粒300円を越える高級和風グラッセ。ちょっとしたケーキほどのお値段ですが食べてみれば納得。口の中に広がる上品な味わいは、熊本県産の和栗本来の甘さ。濃いめのほうじ茶と一緒に食べれば、至福の瞬間が訪れます。素材の味を生かす丁寧な仕事に、食通のあの人も唸るはず。ここぞというときの手土産におすすめです。

※取扱い:伊勢丹新宿店

文: 嘉藤美保子

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=甘の味/名匠銘菓にてお取扱いがございます。 
また、伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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まるでお茶漬け!? だしで食べる和風グラノーラ

久右衛門のだしで食べるグラノーラセット
久右衛門のだしで食べるグラノーラセット

<久右衛門>だしで食べるグラノーラセット(1セット/グラノーラ200g・久右衛門だし×5包)1,685円(税込)

新感覚のグラノーラが<久右衛門>から登場しました。大麦をベースに、大豆、そば、えのき茸、くるみを加え、味噌で焼き上げた国産素材の和風グラノーラ。ここに、だしパック「久右衛門だし」で抽出した相性抜群のだしをかけていただきます。いわし煮干し・かつお節・焼きあご・昆布・椎茸など国産素材だけを贅沢に使用した芳醇なだしと、滋味豊かなグラノーラが混ざり合い、味わいや食感の変化を時間とともに楽しめます。クセになるこの美味しさを、ぜひ一度お試しあれ。

※取扱い:伊勢丹新宿店、伊勢丹オンラインストア
※販売期間:2018年9月19日(水)~10/2(火)

文: 香取里枝

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は2018年9月19日(水)~10/2(火)の間、伊勢丹新宿店本館地下1階=粋の座/久右衛門にてお取扱いがございます。また、<久右衛門>の一部商品は伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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期間限定の甘い幸せ♡ ピエール・エルメの焼きたてヴィノエワズリー

クロワッサン オ ザマンド
クロワッサン オ ザマンド

<ピエール・エルメ・パリ>クロワッサン オ ザマンド (1個/日本製)486円(税込) 

<ピエール・エルメ・パリ>からこの期間、伊勢丹新宿店限定でクロワッサン オ ザマンドがお目見え。クロワッサンの中に、コクのあるくるみと華やかな香りのヘーゼルナッツ風味のアーモンドペーストが入っていて、今まで食べたことのない深みのある味わい! 外はサクサク、中はしっとりした生地の食感も楽しめるところは、さすが“パティスリー界のピカソ”と称される巨匠のヴィノエワズリー。1日2回焼き立てが届けられる、2週間だけのお楽しみです。お見逃しなく!

※取扱い:伊勢丹新宿店
※販売期間:2018年9月19日(水)~ 10月2日(火)、各日平日100点限り、土・日・振替休日各日120点限り
※販売時間:午前10時30分~、午後14時~

文: 松本いく子

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、2018年9月19日(水)〜10月2日(火)までの期間中、伊勢丹新宿店本館地下1階=グラン アルチザン/ピエール・エルメ・パリにてお取扱いがございます。<ピエール・エルメ・パリ>の商品は伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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優雅なお月見にいかが? <ピエール・エルメ・パリ>のオリジナル月餅(ムーンケーキ)

Assortiment de 4 Mooncakes ムーンケーキ 4個詰合せ
Assortiment de 4 Mooncakes ムーンケーキ 4個詰合せ

<ピエール・エルメ・パリ>Assortiment de 4 Mooncakes ムーンケーキ 4個詰合せ (1箱・要冷蔵/日本製)3,888円(税込)

9月24日は、中国の中秋節。1年でもっとも美しい満月がみられる日として、古くから月餅を食べる習慣があるのだとか。その月餅を、パティスリー界の巨匠、ピエール・エルメが作ったら……。昨年発表して人気を博した「ムーンケーキ」が、今年は伊勢丹新宿店に登場します。風味あふれるローズ入りアーモンドビスキュイ、ライチのパート・ド・フリュイ、フランボワーズの3つが見事に調和する「イスパハン」は、優雅なおいしさにうっとりしてしまいます。ほかに、柚子と抹茶が香る「テベール エ ユズ」、ショコラとプラリネを組み合わせた「プラリネ エ ショコラ」、アーモンドとバニラの香り高い「アンフィニマン ヴァニーユ」の全4種類が1箱に。パリや香港では“お月見”に家族や親しい人と食べる、人気のアイテムなのだとか。満月の夜の手土産にしたら自慢できそう。

※取扱い:伊勢丹新宿店
※販売期間:2018年9月1日(土)~ ※予定数なくなり次第、販売終了

文: 松本いく子

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、2018年9月1日(土)〜数量限定で、伊勢丹新宿店本館地下1階=グラン アルチザン/ピエール・エルメ・パリにてお取扱いがございます。<ピエール・エルメ・パリ>の商品は伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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