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2015.04.10

読み物・コラム

製造は年に一度、完成まで半年。能登が生んだ飴色の宝石「丸柚餅子」

2015年3月北陸新幹線の開通で、ここ数年注目を集めている北陸。小京都と呼ばれる石川県の金沢などでは茶の湯の文化が栄え、お菓子づくりも発展しました。

そんな石川には現代もなお愛され、語り継がれる銘菓が多く存在します。今回は「柚餅子(ゆべし)」と呼ばれる和菓子の一種で、大変な手間暇をかけて作られる輪島の飴色の宝石、<柚餅子総本家 中浦屋>「丸柚餅子(まるゆべし)」(写真上)1,620円(税込)をご紹介します。

起源は源平時代の保存食・携帯食

柚餅子、と聞くと、まず「くるみゆべし」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。じつは柚餅子は全国各地で形や味が異なるお菓子で、製造方法も千差万別。その歴史は古く、源平の時代に生まれたともいわれ、お菓子というよりも保存食、携帯食であったそう。そして「丸柚餅子」が有名になったのは、輪島塗の行商人が携行食として、また顧客への手土産として広まったとの説が有力なのだとか。

年に一度しか製造できないそのワケとは…

さて、この「丸柚餅子」に使われる柚子。秋に収穫される完熟柚子のなかから、大粒で高品質の、まさによりぬきを丸ごとまるっと1個使うというのだからなんとも贅沢。

製造は年に一度、完成まで半年。能登が生んだ飴色の宝石「丸柚餅子」_2

まず中身をくりぬき、外皮から明かりが透ける薄さになるまで皮裏のワタを丁寧にそぎ取り(写真上。なんとも美しい!)柚子釜をつくります。そのなかに秘伝の味付けをした餅米を詰め、それを数回蒸して約半年間、自然乾燥させるのです(写真下)。これだけ手がかかるのなら、年に一度しか製造できないのもうなずけますね。

このように手間暇かけてつくられている丸柚餅子、気になるお味はというと、上品な甘さとかすかな柚子のほろ苦さ(もちろん皮ごと食べられます)のバランスが絶妙で、甘いものが苦手な方にもおすすめ。昔からのファンも多いのだとか。

食べ方いろいろ、丸柚餅子レシピ

そのままいただくのもおすすめですが、長期保存が可能なのでちょっとアレンジしていただいてみるのも楽しいかも。いくつか食べ方をご提案します。

【皮ごと薄い半切にしてそのままいただく】
お茶うけやお酒のおつまみにぴったり!

製造は年に一度、完成まで半年。能登が生んだ飴色の宝石「丸柚餅子」_3

【千切りでお料理の仕上げに】
新鮮な柚子の香りをそのまま閉じ込めた丸柚餅子。茶碗蒸し(写真右)やお吸い物、そして洋風のお料理にも合うんです。意外な組み合わせと思われるかもしれませんが、チーズとの相性はバツグン。カマンベールチーズを筆頭に、ブリア・サヴァランのようなフレッシュタイプのチーズや、塩気が強く甘さを引き立てるフルム・ダンベールのようなブルーチーズともよく合います。

【厚めに切って、炭火で軽くあぶって】
あぶったり、温めることでやわらかくなり、いっそう香りがまして美味しさUP! 一番おすすめの食べ方です。

このように味の奥深さは言うまでもなく、食べ方もお好みや用途に応じ、切り方や調理方法を工夫することが可能な無限大の魅力をもちあわせる丸柚餅子。ぜひ一度ご賞味あれ。

文: 林香津美

※「FOODIE」2015年4月号掲載の再編集記事です。
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