2016.12.13
<銀座木村家>のあんぱん。140年にわたり愛され続ける理由とは?
星の数ほどあるあんぱんの中で、誰もが知っているメジャーなブランドといえば<銀座木村家>。この<銀座木村家>、実はあんぱんの元祖なんです。定番商品の「酒種(さかだね) あんぱん」が誕生してから約140年、なぜこれほどまでに多くの人々から愛され続けたのでしょうか? その美味しさの秘密を探ってみました。
【銀座木村家】美味しさの秘密は、日本人に馴染みのある天然酵母「酒種」にあり

<銀座木村家>のあんぱんの美味しさの秘密…それは商品名にもある「酒種」が関係しています。酒種とは米と麹(こうじ)を発酵させてできる「天然酵母」のことで、日本では古くから日本酒を作る際の発酵源として使われてきました。通常、パン生地作りには果物などからおこした天然酵母や、イースト菌を使うのが主流ですが、<銀座木村家>では、酒種を使っています。あのあんぱんを食べたときに感じる、麹のほのかな香りとしっとりとした食感は酒種が由来だったんですね。
【銀座木村家】酒種作りのプロフェッショナル、「種師(たねし)」とは?

酒種は、天然酵母の中でも安定して生産するのが特に難しいとされるもの。気温や湿度によってパンがうまく膨らまなかったりと、状態を安定させるのが困難な酵母。そのため、<銀座木村家>には「種師」と呼ばれる発酵のプロフェッショナルが存在します。
彼らは1日中、酒種の様子を観察して、最適な環境になるよう室内の気温や湿度をコントロールしています。しかも全国に流通される大量のあんぱんを毎日製造しているにも関わらず、使用される酒種を手がける種師はたった2名というから驚きです!
【銀座木村家】そもそも、酒種を使うようになったきっかけは?

「あんぱん」は「瓦斯灯(がすとう)」や「蒸気船」「写真絵」と並び「文明開化の7つ道具」とされていた(※日本橋蛎殻町、中島座での正月興業の錦絵)
「酒種 あんぱん」のルーツは明治初期にまで遡ります。もともと武士だった創業者の木村安兵衛が、手に職をつけるために興味を持ったのが、当時日本に伝来したばかりの「パン作り」でした。その頃、日本では脚気(かっけ)にかかる人が多く、パンにはそれを予防するビタミンB1が含まれているため、健康食品として売り出すことを思いついたのです。
しかし、当時は文明開化の真っ最中。大衆はパンに馴染みがなく、なかなか売れません。そこで馴染みのあったお菓子「酒まんじゅう」にヒントを得て、同じ原材料の酒種を使ってみたところ「酒種 あんぱん」は爆発的な人気商品となったのです。
【銀座木村家】種師の想いが詰まったロングセラーの酒種あんぱん
「酒種 あんぱん」はバラエティ豊かなラインナップも魅力のひとつ。代々受け継がれる種師が守ってきた明治時代から変わらない味を食べられるってすごい贅沢ですね!
<銀座木村家>酒種 桜/発売年:明治8年

<銀座木村家>酒種 桜 162円(税込)
こしあんの甘さを引き出すのは塩漬けにしてある桜。明治天皇への献上品として開発された記念的一品です。今でも贈呈品として人気で、箱詰めにして手土産にする人も多いとか。
<銀座木村家>酒種 けし/発売年:明治7年

<銀座木村家>酒種 けし 162円(税込)
<銀座木村家>の原点というべき、創業時に作られた最初の「酒種 あんぱん」。元祖というべきこの商品は、表面にけしの粒がたっぷりとあしらわれています。香ばしいけしの風味とこしあんの甘さが絶妙な王道のあんぱんです。
<銀座木村家>酒種 小倉/発売年:明治7年

<銀座木村家>酒種 小倉 162円(税込)
つぶあんがぎっしり詰まった「酒種 小倉」。粗めのつぶあんはまるで和菓子を食べているような満足感で、小豆の風味をしっかりと堪能することができます。
<銀座木村家>酒種 うぐいす/発売年:昭和5年

<銀座木村家>酒種 うぐいす 162円(税込)
うぐいす餡を使った和菓子にヒントを得て開発された商品。ちらりと覗く緑色は青えんどう豆。口に含むとさわやかな風味が広がります。豆の青っぽさが酒種のもっちり生地と絡まって、絶妙なハーモニーを奏でます。
<銀座木村家>酒種 白/発売年:昭和5年

<銀座木村家>酒種 白 162円(税込)
一時期、販売停止となったことがあった「酒種 白」。しかし、根強いファンの要望で復活を遂げました。ほっくりとした白豆の歯ごたえと白ごまの香りのバランスはハマると抜け出せなくなる!? リピーターが多い一品です。
<銀座木村家>酒種 栗/発売年:不明

<銀座木村家>酒種 栗 195円(税込)
隠れた人気商品で、社内にもファンが多いそう。スイーツの様にコーヒーと一緒に味わうのがおすすめです。栗をモチーフにした見た目がキュート。
<銀座木村家>の「酒種 あんぱん」は、発売から約140年の歴史を誇ります。とても繊細で扱いが難しい天然酵母「酒種」を使用し、伝統の味を守り続けてきたからこそ、「酒種 あんぱん」は唯一無二の味になりえたのでしょう。甘いあんぱんの中にぎっしり詰まった老舗の歴史と工夫を存分に味わってください!
取材協力/銀座木村家
明治2年創業。発酵に独特の酵母を用いる「酒種 あんぱん」を中心に、菓子パンや惣菜パン、むしケーキなどを製造、販売している。銀座の總本店は、銀座4丁目のランドマーク・銀座三越の向かいにあり、銀座の一大名所である。
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