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2016.10.20

足立音衛門(あだちおとえもん)の「栗のテリーヌ『天』」。高くても売れ続ける究極のパウンドケーキは1本1万円!

足立音衛門の栗のテリーヌ

京都の北部、福知山にある焼き菓子専門店<足立音衛門>には、栗好きが全国から買いに訪れる究極のパウンドケーキ「栗のテリーヌ『天』」があります。1本1万円もするパウンドケーキが、なぜそんなに売れているのでしょうか。お店にうかがって、その理由を探ってきました。

足立音衛門 店舗前

京都駅から電車で約2時間の福知山。古くは福知山城の城下町として栄え、今では町全体にのんびりとした空気が漂っています。<足立音衛門>は、JR福知山駅から歩いて約15分の場所で暖簾を掲げています。明治から大正時代にかけて建てられた建物は、ところどころに昔ながらの姿を留め、その佇まいが車道沿いでひと際目を引いています。

「栗のテリーヌ『天』」の中には大粒の丹波栗とヨーロッパ産の栗が400gも!

栗のテリーヌ「天」に使用する栗

「栗のテリーヌ『天』」には、大粒の丹波栗と、小粒ながらホクホクとした食感のヨーロッパ産の栗が使われています。ズッシリ重い一本をカットしてまず驚くのは、その栗の量の多さ。一本の中に、なんと400gも詰まっています。「栗のテリーヌ」と名付けたのは、カットした断面に魅力があるところが、フランス料理のテリーヌと共通しているから。まずは、美味しそうな断面を楽しむところから、「栗のテリーヌ『天』」を味わうひと時は始まります。

究極のパウンドケーキはどのようにして生まれたのでしょうか

強烈なインパクトを与える「栗のテリーヌ『天』」は、オーナーパティシエの足立さんが、今とは別の場所で小さな焼き菓子店を営んでいた頃に考案されました。作りたかったのは、地元の丹波栗をはじめとした、栗そのものの美味しさを伝えるお菓子。そんな思いから作り始めただけに、試作当初から販売価格は度外視。素材に一切の妥協をせず、栗の産地や品種、そのほかの材料全てを吟味し尽した結果、価格はなんと1万円に! 

足立さんは「こんなに値段が高くては、店頭では売れないだろう」と、当初は通販でのみ販売していました。ところが、そんな予想に反して、あっという間に「栗のテリーヌ『天』」は口コミで評判に! ラベルに打った通し番号の数字は、販売から10年余りで50,000を超えるほど多くの人に愛されています。

A級品の大粒丹波栗や老舗の和三盆など
すべてにこだわりぬいた素材

これほどまでに評判を呼んだのは、やはりその味にあります。主役の栗は、ひと粒3cmはあろうかという「大粒丹波栗」。A級品に指定される福知山のブランド栗です。ヨーロッパ産の栗とあわせたのは、味に深みを出すためで、また2種の栗を使うことで、シンプルな焼き菓子の食感に変化が感じられ、最後まで飽きずに食べることができます。

脇役の素材も足立さんがこだわりぬいたものばかりです。小麦粉はグルテンが少なく、ふんわりと焼きあがる北海道前田農産の小麦をブレンドしたものを使用。そこに創業文化元年の「讃岐三谷家」から取り寄せる和三盆を加えています。讃岐三谷家は昔ながらの製法を守り続ける老舗。丁寧に手づくりされたやさしい風味が特徴です。バターはラヴィエットA.O.C発酵バターを使用。これを使うことで濃厚な風味に焼きあがります。

栗のテリーヌ「天」に使用される2種の栗

2種の栗はそれだけで食べても充分美味しいものが使われています。

栗のテリーヌを焼き上げる前の生地

生地はスタッフが練り具合を確認しながら最後にサックリと混ぜあわせます。

大粒丹波栗とヨーロッパ産の栗を交互に敷き詰め、隙間を生地で埋めていくところ

大粒丹波栗とヨーロッパ産の栗を交互に敷き詰め、隙間を生地で埋めてゆきます。生地は栗が壊れない役割も果たしています。

焼きあがった栗のテリーヌ「天」

最高級の国産小麦粉を使った生地はしっとりとした食感に焼きあがります。

普段使いの焼き菓子も、栗、栗、栗!

<足立音衛門>には、普段のおやつや気軽なおつかいものにもなるお菓子がたくさんあります。どのお菓子も主役はやっぱり栗。ここまで栗にこだわったお店は、そうはありません。

ありそうでなかった、栗餡入りのどら焼き

足立音衛門のどら焼き

<足立音衛門>どら焼き 540円(税込)

ムッチリとした生地に、刻んだ栗入りの自家製栗のペーストを挟んだどら焼き。栗餡だけを詰めたどら焼きは、ありそうでなかったアイテムです。栗を心から愛する<足立音衛門>らしさが感じられるおやつは、福知山散策のお供としても愛されています。

まずは評判のタルトのミニサイズでお試し

足立音衛門のミニタルト

<足立音衛門>ミニタルト 1,080円(税込)

丹波栗やアンデス栗、イタリア栗を目いっぱい敷き詰めたタルトは、一年を通じた人気商品。ミニタルトは、その味を気軽に楽しめるお試し版として作られました。甘党なら、一人でひとつはいけそうです。おひとりさまの贅沢なおやつとしていかが?

生地の味を楽しむ、創業の頃からのパウンドケーキ

足立音衛門のパウンドケーキ

<足立音衛門>パウンドケーキ 1,620円(税込)

「じつは<足立音衛門>は生地も美味しい」といわれる理由が、ひと口でわかるパウンドケーキ。中には栗が一切入っておらず、なめらかに焼き上がった生地の味を純粋に楽しめます。創業の頃から作り続けられ、<足立音衛門>を語るのなら、一度は食べておきたいパウンドケーキです。

足立音衛門

足立音衛門

現店舗は、オーナーの足立さんが一目ぼれした建物。敷地内には洋館も残っています。店内に入った途端に鼻をくすぐる甘く香ばしい香り。ショーケースには本店限定の商品も並んでいます。

 

文: 古都真由美

写真:竹中稔彦
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、日本橋三越本店本館地下1階=足立音衛門にてお取扱いがございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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