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2016.08.17

<Fève(フェーヴ)>辻口シェフの新たな挑戦「豆スイーツ」大豆と米糀のマリアージュ!

大豆粉を使ったスイーツ粉の限定商品と辻口シェフのイメージ 

世界にその名を知られるパティシエ、辻口博啓シェフが手がける、豆を使った専門店<Fève(フェーヴ)>。辻口シェフが伊勢丹新宿店「マ・パティスリー」のために限定で作った商品が、スイーツ業界で話題になっています! どうやら「大豆粉はお菓子作りに向かない」という大きな壁が、辻口シェフの探求心にメラメラと火をつけたようです。

そもそも、大豆にこだわる理由は何ですか?

辻口シェフが開発した大豆粉について語る辻口シェフ

辻口シェフは2011年に、それまで誰もやらなかった豆スイーツ専門店<Fève(フェーヴ)>を立ち上げています。Fèveとはフランス語で「そら豆」や「幸せ」の意味があります。そもそも今回、大豆に着目したのは、どんなこだわりがあったんでしょうか?

栄養価が高く保存が効く大豆は、天然のサプリメント

「一般的に、大豆と聞くと『特有の青臭さがあって、お菓子には使いたくない素材』というイメージを持つ人がほとんどです。でも、古来より天然のサプリメントとして重宝されてきた大豆は、タンパク質や食物繊維など多くの栄養素が含まれていて低糖質。その魅力をパティシエの技でスイーツという形にすることで、みなさんにもっと美味しく気軽に味わってもらえる、ヘルシーな新しいスイーツを作りたかったんです」

きな粉、豆乳、豆腐など、いろいろな大豆の加工品を、豆スイーツの素材として使用しています。その中で辻口シェフを悩ませていたのが「お菓子作りに向く大豆粉がない」ということでした。「大豆粉」とは生の大豆を粉末状にしたもので、小麦粉の代わりに使ってみたものの、グルテンを含まないために生地が膨らまなかったり、食物繊維が多くてのど越しがボソボソしたり……。

大豆と米糀!? 辻口シェフが開発した大豆粉の「スイーツ粉」

辻口シェフが開発した大豆粉の「スイーツ粉」

辻口シェフが開発した大豆粉の「スイーツ粉」。大豆の青臭さがなくうっすら黄色がかっている。大豆を炒って粉砕した「きな粉」とはまったくの別物

菓子作りに不向きだった、大豆粉の問題点を見事にクリア!

「そんなときに、味噌メーカーのマルコメさんと共同研究をするご縁がめぐってきたんです! そしてお菓子を美味しくする、新しいオリジナルの大豆粉を完成させることができました」

辻口シェフがこだわったのは、口の中でやさしくふんわり溶けていく、上品なスイーツが作れるレベルの「大豆粉」。それが実現できるまで、粘りに粘って研究を重ねたのだとか。そうして完成した新しい大豆粉は、「スイーツ粉」と命名。「米糀」の力によって、辻口シェフが目指していた、しっとりとした仕上がりを実現することができるようになったのだそう。

「米糀の力ってすごい!と実感しました。従来の大豆粉では不可能だった、ふっくらと膨らむ焼き菓子が可能になり、小麦粉を使うよりも糖質が抑えられ、米糀が持つ力で生地のしっとり感が長く続くようになったんです」

キラキラした目で話す辻口シェフ。なるほど、従来の大豆粉の難点だった壁を乗り越えるどころか、新大陸を発見してしまったようです。この新しい「スイーツ粉」の誕生により、サブレ、マカロン、ロールケーキなど、食感が決め手となるスイーツ作りまでが可能になり、「商品のバリエーションが大きく広がった」と辻口シェフは熱く語ります。

伊勢丹新宿店「マ・パティスリー」に、大豆を使った限定新作スイーツが登場!

2016年8月17日(水)~22日(月)、<Fève(フェーヴ)>が伊勢丹新宿店「マ・パティスリー」に出店するにあたり、新しい大豆粉である「スイーツ粉」や豆乳を使用した、口どけのいい冷たいデザートや焼き菓子など、限定の新作スイーツが登場します! 辻口シェフにおすすめを紹介していただきました。

<フェーヴ>初のグラスデザート。大豆を使った「ベリーヌ」

大豆粉を使った新作デザート「ベリーヌ」シリーズ3種

写真左から、「サヴァラングリオット」「キャラメランジュ」「フリュイルージュ」、各601円(すべて税込)

いろいろな香り、食感、素材が何層にも重なった「ベリーヌ」シリーズ。ラインアップは全7種類。食べ進むにつれて味が変化していく、ワクワク心が躍る冷たいスイーツです。

「今までにない味わい!」と辻口シェフが力説するのが、「サヴァラングリオット」(写真左)。グリオット(=さくらんぼ)ムースとピスタチオクリームに、赤ワインをたっぷり含ませた大豆粉のしっとり食感のスポンジが層になっています。美味しさの波が畳みかけるように押し寄せ、うっとり酔ってしまう大人の味!

「キャラメランジュ」(写真中央)は大豆パフのチョコクランチ、豆乳のオレンジムース、果肉入りオレンジジュレのすっきり味です。「フリュイルージュ」(写真右)は豆乳チーズとココナッツミルクのブランマンジェ、ライムクリームと豆乳のベリームース、あまおうのジュレ。木いちごやブラックベリーがアクセントになっています。

これが新しい大豆粉のなせる業!? しっとり口溶けなめらかな、ケーキドーナツ

大豆粉を使った新作のケーキドーナツ「フェーヴ・ド・カカオ」

大豆粉を使った新作のケーキドーナツ「フェーヴ・ド・カカオ」481円(税込)

ドーナツの形をした焼き菓子「フェーヴ・ド・カカオ」は、辻口シェフが開発した大豆粉である「スイーツ粉」の真骨頂が味わえます。しっとりふわふわの生地で大豆の青臭さは一切なし。生地に挟んだチョコレートクリームには、豆乳クリームを使用。「これが大豆のケーキ!?」と唸る美味しさですが、よ~く意識を集中するとふくよかな豆の味わいと香りが楽しめます。ほかにも大豆粉のロールケーキが登場予定。

実はこの大豆粉、2016年3月末から正式名「大豆と米糀のスイーツ粉」(発売:マルコメ)として、スーパーでの流通がスタートしたばかり。「従来の大豆粉を使っていた人には、ぜひ試してほしいです。粉の開発ひとつで『こんなに美味しさが変わるなんて!』と驚いてもらえる自信があります」と辻口シェフ。

ひと昔前の「体にいい=美味しくない」という常識を打ち破り、「体にいい=美味しい」方程式を実現させた辻口シェフ。「次は糖質を抑えたい人に喜んでもらえる、ロカボスイーツの研究です!」と意気込むその様子から、まだまだ食いしん坊たちをワクワクさせてくれそうです。

取材協力/パティシエ 辻口博啓

パティシエ 辻口博啓

サロン・デュ・ショコラ・パリなど世界大会で数々の優秀賞経験を持つ。現在モンサンクレール(東京・自由が丘)をはじめ、コンセプトの異なる12ブランドを展開。近年では後進育成のため「スーパースイーツ製菓専門学校」の校長を務めるほか、石川県・三重県の観光大使、金沢大学非常勤講師、産業能率大学客員教授を務める。

文: 小田島千絵

撮影:よねくらりょう
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

催物のご案内/商品の取扱いについて

【催物のご案内】
銘店会大感謝祭
■開催期間:2016年8月17日(水)~8月22日(月)
今注目の人気店やパティシエが、伊勢丹新宿店本館地下1階に週替わりで出店するコーナー「マ・パティスリー」。上記の期間中、辻口博啓シェフの豆スイーツ・豆菓子専門店<Fève(フェーヴ)>が登場します。お店の人気焼き菓子のほか、記事内で紹介した新宿店だけの限定ベリーヌなどを販売いたします。
【店舗のご案内】
Fève(フェーヴ) 自由が丘本店 東京都目黒区自由が丘 1-29-14 Jフロントビル1F
【商品の取扱いについて】
記事で紹介している商品は、2016年8月17日(水)~8月22日(月)まで、伊勢丹新宿店本館地下1階=カフェ エ シュクレ/マ・パティスリーにてお取扱いがございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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