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2016.07.16

並・上・特上の値段の違い、うな丼・うな重の違い…うなぎの疑問をプロが詳しく解説します!

うなぎ重、うな丼、若だんなのイメージ

年々、上がり続けるうなぎの価格。その理由ってご存知ですか? 値段が高いからこそ知りたい、「そもそもうなぎの値段はどう決まるのか?」。日本橋の老舗うなぎ店三代目から、うなぎ通も知らない最新事情を教えていただきました。

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「並・上・特上」や「お重・丼」って、何が違うのでしょう?

(左)うな重 (右)うな丼

ほとんどのお店では「量が多いか、少ないか」という違いだけ

「実は、並・上・特上の値段の違いというのは、ほとんどのお店が『うなぎの量が多いか少ないか』という量の違いだけ。つまり、うなぎの質はどれも同じなんです」と教えてくれたのは、日本橋三越本店にも店をかまえる<日本橋いづもや>の三代目若だんな・岩本公宏さんです。

「お重と丼の違いは、単純に器の見栄えの違いです。高級そうに見せたいからお重、気軽に見せたいから丼ということです。もちろん、うなぎの量が多くなるほど値段は上がりますし、有田焼の高級な丼を使っているお店もありますよ」

……単純に量や器が違うだけとは。値段が高いメニューほど、上質なうなぎを使っているのだろうと思い込んでいました! 

魚は天然と養殖もので質も値段も違いますが、うなぎの場合はどうなんでしょうか? 岩本さん、教えてください!

そもそも、天然ものと養殖の違いって何ですか?

うなぎについて語る若だんな

市場に出回るうなぎは99%が養殖

「魚は養殖より天然ものが高くて美味しいと思われていますが、うなぎに限ってはそうともいえないんです」と岩本さん。

「市場に出回るうなぎは99%以上が養殖です。確かに天然うなぎは、独特の風味や筋肉質な食感を楽しめるところが魅力ですが、値段も破格。自然の環境で育つため、どうしても味にばらつきが出てしまいます。その点、養殖うなぎはエサや水質を徹底管理されて育つので、みなさんが好きな脂ののったうなぎを安定供給することができるのです」

冬が旬とは限らない。 実は、夏に食べるのが大正解!

さらに岩本さんならではの最新情報が! ときに食通は「実はうなぎの旬は秋~冬。土用の丑の日は、平賀源内が夏に仕掛けたキャンペーン」といいますが、これはあくまで天然うなぎの話。

「江戸時代とは違って、養殖の技術は革新し続けています。12月~2月に捕れたうなぎの稚魚は、ほかの時期に生まれた稚魚に比べて成育も良く質がいい。その稚魚が食べごろに成長するのが、ちょうど梅雨~夏の土用の丑のタイミングなんです。だから現代では夏にうなぎを食べることは大正解! 夏バテしやすい季節にうなぎを食べて、大いにスタミナをつけるのは理に適っているというわけです」

うなぎの高騰って、何が原因なんですか?

(左)うなぎの稚魚 (右)うなぎの養殖所

捕獲量で左右されるうなぎのお値段。でも生態は謎のまま

では、そもそもうなぎの高騰になっているのは何が原因なのでしょう?

「今から4~5年前(2012~2013年)、シラスウナギと呼ばれるうなぎの稚魚の捕獲量が激減し、養殖うなぎが一気に高騰してしまったのです」と岩本さん。うなぎの生態は謎に包まれていて、卵を孵化させて育てる『完全養殖』が難しいのだとか(※研究所レベルでは成功例がある)。

「うなぎはグアム島沖で産卵し、黒潮にのって太平洋沿岸に天然の稚魚が流れつきます。だから鹿児島、宮崎、高知、愛知、静岡など、太平洋沿岸が水揚げ量の多いエリアです。その稚魚を養殖業者が購入し、食べごろになるまで育てたら問屋を経て、うなぎ店に出荷されます。つまり、その年に水揚げされた稚魚の数によって、養殖うなぎの価格が大きく左右されるというわけです」

うなぎ業界に変革の兆し! もっと気軽に食べてほしいから

岩本さんによると、今うなぎ業界では高騰に負けず、もっとお客さまに親しみやすい価格で提供したいと変革の兆しが芽生えているそうです。

「私が注目したのは、一般的に流通しているうなぎよりも、値段が安い『太くて大きいうなぎ』。直焼きしてほどよく脂を落とす関西では好まれてきましたが、蒸してから焼く関東では『脂がノリ過ぎていて粋じゃない』と人気がありませんでした。でも洋食慣れした現代人の嗜好には、脂がのった味が好まれると思ったのです」

それから<いづもや日本橋三越店>では、納得がいく味になるまで試行錯誤を積み重ね、2012年から「笹」「竹」「鶴」「匠」というメニューに「太くて大きいうなぎ」を採用することに至ったそうです。

「お客さまの反応は上々で、食べごたえがあってお手頃価格、かつ美味しいと喜ばれています。2012年にこの試みをうなぎ業界の会合で発表したら、会場がざわつきました。ですが、その半年後には多くのお店が賛同してくださり、今まで関東で避けていた『太くて大きなうなぎ』を取り入れ始めたのです」

挑戦を続ける岩本さんの言葉に、うなぎの未来に希望を見たような気がします。プレミア感が高まっているうなぎですが、遠ざかっていた人も、この機会にぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

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文: 嶺月香里

撮影:よねくらりょう
写真提供:日本橋いづもや
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

【商品の取扱い】 
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