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2016.04.14

【わっぱ弁当】憧れの曲げわっぱで1週間お弁当生活に、編集部が挑戦!

憧れの曲げわっぱで1週間お弁当生活

お弁当生活をするなら、一度は使ってみたい憧れの存在「曲げわっぱ」。でも、「高価だし手入れが大変?」「長く使える?」といった不安がよぎり、なかなか手が出せないんですよね。実際のところ、曲げわっぱの使い勝手って、どうなんでしょう? WEB FOODIEの編集担当Sが検証してみました!

まずは、使いはじめる前に知っておきたい基礎知識を、曲げわっぱに詳しい料理研究家・野上優佳子さんにレクチャーしてもらいます!

そもそも曲げわっぱって、どんなもの?

曲げわっぱの種類

手前右から反時計回りに、新潟県寺泊山田のわっぱ(だ円の白木)、岐阜県中津川の恵那曲物(白木の二重重ね上段)、宮崎県諸塚村の宮崎めんぱ(白木の二重重ね下段)、静岡県の井川メンパ(茶色の6個組)、長野県奈良宿の曲物(茶色拭き漆のだ円)、福岡県馬出の博多曲物(四角いもの)

曲げわっぱとは、ヒノキやスギ、ヒバなどの薄い一枚板を円形や楕円形に曲げて、合わせ目を山桜や白樺の皮で綴り、底をつけた曲物の容器のこと。

「曲げわっぱの『わっぱ』は、『桶状の器』という意味の東北地方の方言なんです。『めっぱ』『めんぱ』と呼ぶ地域もあります」

産地は秋田県大館市が有名ですが、日本各地で作られています。どれも職人が一つひとつ、手作りしたもので、木を削り出しただけの白木のもの、漆を塗ったものなど種類は豊富。

「どれも1点ものなので、価格は高いものなら1万円以上。でも、5,000円程度のお求めやすいものもあります。どこで、どんな人が作っているのかがはっきりとわかるものを選べば間違いありません。扱い方のコツさえ守れば、末永く使える便利な道具。私が持っている曲げわっぱの中には10年間も愛用しているものがあるんですよ」

曲げわっぱを使う前に知っておきたい、3つの約束

1 濡らしてから詰める

曲げわっぱを使う前に知っておきたいこと

一度、水でサッと濡らすか、清潔な濡れぶきんでふいてから使うのがルール。「乾燥した状態のままお弁当を詰めると、ご飯がくっつきやすく、おかずの調味料や油が木目に吸い込みやすくなります。濡らした後、余分な水分はきれいにふき取ってくださいね」

 

2 食べたらすぐに洗う

曲げわっぱを使う前に知っておきたいこと

 「水より湯のほうが汚れが浮きやすいので、給湯器の湯などでザーッと洗い流して。洗剤は木目に染み込んでいってしまうので、湯で洗い流すだけでOK! 熱湯は木地のゆがみの原因になるので、50~60℃が目安です」

すぐに洗えないときは、おかずカップや食べ残しを捨てて空っぽの状態に。調味料や油分がついていたら、ティッシュペーパーなどで軽くふき取っておき、帰宅後、湯で洗うといいそう。

 3 しまい込まない

「曲げわっぱは使えば使うほどに手に馴染んできます。一度、食器棚の奥にしまい込んでしまうと使うチャンスが減るので、しまい込まないようにしましょう。お弁当箱として使わないときは、お茶菓子入れなどとして使ってもかわいいですよ」

いよいよ、1週間曲げわっぱ生活に挑戦!

基本のルールをおさえたところで、WEB FOODIEの編集Sが月曜から金曜の5日間、曲げわっぱ生活をしてみました! 編集Sのコメントとともにその様子をお届けします。

【月曜日】一度やってみたかった「そぼろ弁当」。しかし早くもアクシデントが!

曲げわっぱで1週間お弁当生活

先生の教え通り、水で湿らせてから使ったのに、早くもフタにシミが!(ショック)。卵が接触していた部分のようですが、卵がいけなかったのか、油がいけなかったのか……(詳しくはこちらの記事で)。

 

【火曜日】定番の海苔弁。曲げわっぱは、やっぱりご飯が美味しくなる!

曲げわっぱで1週間お弁当生活

前日のシミについては対策を調べ、酢水に浸すことできれいに取れました! 2日目はご飯が主役のメニューでスギの香りをまとった米の美味しさを満喫。足りるか心配だった量も、深さがあるのでちょうどいい!

 

【水曜日】詰めることがとにかく楽しく、おかずのことばかり考える

曲げわっぱで1週間お弁当生活

3日目にして、前日の夜から弁当のおかずのことばかり考えるように。この日のメニューに、そのはりきりぶりが表れています。使用後は丸1日乾燥させた方がいいと説明書にありましたが、昼に食べた後、すぐに乾かせばよく乾燥しているようなので、毎日使えそう。

 

【木曜日】小さな箱にどうデザインするかを考えるのがおもしろい!

曲げわっぱで1週間お弁当生活

お弁当作りが楽しみすぎて、今までより1時間も早起きできるように!(曲げわっぱ恐るべし)。自分が詰めやすいおかずの位置もわかってきて、詰めるスピードもアップ。

 

【金曜日】もうシミも怖くない! 最後は唐揚げ弁当

曲げわっぱで1週間お弁当生活

最初は気にしていたシミ問題ですが、「それも曲げわっぱの深みになるだろう」と開き直りました。その結果の唐揚げ弁当です。洋風のメニューやサンドイッチなど挑戦したいメニューがどんどん出てきています。

 

実際に使ってみると、想像以上におかずを詰めることが楽しく、どんどんハマっていった様子……。

「曲げわっぱの魅力は、食べ物を美味しく見せてくれる演出力があるところ。曲げわっぱの中に立体的に詰めることで、いつものご飯とおかずがワンランクアップします」という先生の言葉通り、これまでのお弁当がちょっと特別なものに変わったようです。

また、使うにつれて「長く大事に愛用したい」という気持ちも高まったよう。使うなかで出てきたいろいろな疑問については、さらに先生に教えてもらうことにしました。詳しくは「曲げわっぱの悩みQ&A」をご覧ください!

取材協力 野上優佳子

野上優佳子

料理家。株式会社ホオバル代表。お弁当はこれまで30年作り続け、使った弁当箱は300種類以上! 日々お弁当を作るリアルな目線を生かしたレシピが人気。現在、弁当文化の訴求と普及を目指し、各種メディアで活躍中。

 

文: 白鳥紀久子

文(一部):FOODIE編集部
写真:矢野宗利(1〜4枚目)

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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