ガーデンプランナーに聞く、桜・お花見の楽しみ方

もうすぐ、お花見シーズン到来。みなさんは毎年、どのように花見を楽しみ、何を思いながら桜を眺めていますか? 今回はフラワーアーティストであり、ガーデンプランナーの塚田有一さんに、花見のおもしろさや桜の魅力について伺いました。また、特別に桜をつかった生け花も披露していただきましたので、ぜひご覧ください。

そもそも桜とは? 日本人と桜の関係

桜の枝

――日本人は、本当に桜が大好きですよね。

「『万葉集』で一番詠まれたのは梅でしたが、その後花といえば桜、になりました。美意識云々という前に寒い冬を越えて山里に春を呼ぶ花であり、いろんな表情を持っているところが、日本人の美意識や心情にフィットしたんじゃないでしょうか。花の盛りの華やかさに対し、一気に散ってしまうはかなさもある。ちょっと妖しさもありますよね。ちなみに『さくら』の語源とは、『さ=聖なるもの』、『くら=座す』で、『聖なるものの降りる場所』という意味を持つんですよ」

――たしかに、桜はすごく清浄なイメージがありますね。

「だから昔の日本人は、桜が咲くと『神様が降りてきてくれた』と解釈したんです。冬の間枯れていた山に、いち早く咲くのが桜ですからね。花見と農耕は関係が深く、たくさん花が咲くことは、実りが多くなる、つまり豊作の象徴でした。桜を見ながら『もっと咲け』と囃し立て実りを願うことで、田畑の豊作を願ったのが始まりなんです」

――その後、今のように国民的行事にまで広まったんですね。

花見の魅力は<桜と対話できること>

――塚田さんならではの、花見を楽しむ視点ってありますか?

「そうですねぇ……。やっぱり花を見て『もの思う』のは人じゃないですか。見ることって、相手があって初めて成立しますよね。愛でる、という感情も、また今年も春がやってきてこうして桜に出合える、その奇跡に感じ入ること。『愛でる』はですから『めずらしい』ことでもありますよね。そう思えばほかの多様な命と一緒の時を、地球上で生きているんだなぁという感覚が得られると思いますよ」

――単にお酒を飲んで騒ぐだけじゃなくて、桜と対話するようなイメージですね。

「桜は花開くことが自身を放つことですし、人は話したり表情などで自身を放ちます。日本は、地下で4つのプレートが合わさっているので、植物の種類がものすごく多様なんです。でも、現在ではその多様性が失われようとしているということで、ホットスポットに指定されている。それをよく知らない日本人も多いですから、花見をしながら、そういった日本の風土にまで思いを馳せてもらえるとうれしいです。桜だけが春を表すのではなく、やわらかい草や、小さな花々や、風や虫たち、鳥たちなどなど生命に溢れかえった山の息吹を浴びに行くことがお花見だったのでしょう」

――今日は実際に、塚田さんに桜を生けてもらいました。花材は東海桜と山桜の二色の桜に、雪柳、しだれ柳。とても幽玄な雰囲気で素敵です。

桜を生ける塚田さん

「生けた花の絵のもっとも古いとされるものには柳と桜が青磁の瓶に生けられたものが描かれています。それをイメージしてみました。春になると、山では氷が溶けて水が温み流れます。その雪解け水のイメージも入れたくて、ガラスの器を使ってみました」

――柳の曲線も美しいですね。

「芽吹いたばかりの感じもいいでしょう。植物自体は無垢な存在ですから、場を清めてくれますよね。生け花は、『ここではないどこか』を引き寄せる技術。都会だと家やベランダも狭いですし、庭がない方も多いですから、こうして花を飾ることで、季節や『遥かなもの見えない世界』を引き寄せるのはオススメです」

桜の生け花

花見を疑似体験してみました

雲井の桜

<とらや>雲井の桜(1本)3,888円(税込)  ※1本の中には2つの羊羹が入っています

――では、塚田さんが生けてくださった桜を眺めながら、早速お花見気分を味わってみましょう。

「素敵な和菓子ですね」

――とらやさんの、春限定の「雲井の桜」という羊羹だそうです。雲井=はるか遠くという意味で、宮中を表しているのだとか。

「なるほど。春の宮中で咲き誇る桜を表現しているんですね。羊羹の色味は淡くて春霞を連想させます。小豆は曲水の玉石のようでもありますね」

――塚田さんは、毎年お花見はされるのですか?

「実はあまり(笑)。ひとりでひっそり見ているほうが好きなんです。わざわざ名所へ出かけるよりも、身近なところや、旅先で偶然出合うのがうれしいですね」

――そうなのですね。これまでに思い出に残っている桜はありますか?

「お堀沿いの桜は好きです。土手の淡い緑や、連翹(れんぎょう)や雪柳、山吹、シャガなどと咲き競う感じでしょうか。くぐり抜けたり、そぞろ歩きながらとか、人が少ない深夜の月明かりなどでぶらぶらしながら見ているのが好きかも知れません。たしかに花は、よく見ると枝の先端で咲いています。そして、どんなときでも、自らを放ち、時の流れの時代の先端で咲いている。植物はその土地の言葉であり、花は季節ごとの大地の歌なんです。花に出合い、その歌が聞こえるようになりたいですね」

いかがでしたか? 花を生けるときは、「自分が小さくなってここで遊んで楽しいか」を考えるという塚田さん。花に対してのピュアな思いがたっぷり伝わってくるインタビューでした。<桜と対話する>気持ちで楽しむお花見は、また桜の新たな魅力に気づかせてくれるかもしれません。

塚田有一さん塚田有一(つかだ ゆういち)

ガーデンプランナー/フラワーアーティスト/グリーンディレクター。 1991年立教大学経営学部卒業後、草月流家元アトリエ/株式会社イデーFLOWERS@IDEEを経て独立。作庭から花活け、オフィスのgreeningなど空間編集を手がける。 旧暦や風土に根ざした植物と人の紐帯をたぐるワークショップなどを展開。 「学校園」「緑蔭幻想詩華集」や「めぐり花」など様々なワークショップを開催している。温室(http://onshitsu.com/)

文: 西島恵

写真:下村しのぶ
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商品の取扱いについて

【商品の取扱いについて】
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=茶の道/とらやにてお取扱いがございます。
※4月上旬頃までの季節限定商品につき、なくなり次第販売終了させていただきます。

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秋グルメの最高峰!? トリュフ香る贅沢スープ

カフェプルニエパリのクリームスープ バゲット付
カフェプルニエパリのクリームスープ バゲット付

<カフェ プルニエ パリ>クリームスープ フレッシュトリュフを添えて 3,240 円(税込)

パリ・マドレーヌにあるカフェレストラン<カフェ プルニエ>の日本第一号店が、2018年10月5日(金)に伊勢丹新宿店にオープン! ぜひとも味わいたい季節限定メニューがこのスープ。イタリア産フレッシュ黒トリュフと、フォアグラを贅沢に使った一品です。添えられたエディアールのバゲットに、卵黄を溶かしたスープをたっぷりとしみ込ませれば、さらに美味しさ倍増! スープボウルから立ち上るスライストリュフの香りと、濃厚なフォアグラ、クリームスープが三位一体となって醸し出す、美食体験をぜひ!

※取扱い:伊勢丹新宿店
※販売期間:10月17日(水)~31日(水)

文: 原口りう子

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商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=プラ ド エピスリーにてお取扱いがございます。またピエール・エルメ・パリの商品の一部は伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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1粒300円超え! 地味だけど唸る美味しさ

ぼうだい本舗の露渋栗
ぼうだい本舗の露渋栗

<ぼうだい本舗>露渋栗(1個入り) 335円(税込)

京都の老舗甘納豆店<ぼうだい本舗>の「露渋栗」は、なんと1粒300円を越える高級和風グラッセ。ちょっとしたケーキほどのお値段ですが食べてみれば納得。口の中に広がる上品な味わいは、熊本県産の和栗本来の甘さ。濃いめのほうじ茶と一緒に食べれば、至福の瞬間が訪れます。素材の味を生かす丁寧な仕事に、食通のあの人も唸るはず。ここぞというときの手土産におすすめです。

※取扱い:伊勢丹新宿店

文: 嘉藤美保子

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商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=甘の味/名匠銘菓にてお取扱いがございます。 
また、伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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まるでお茶漬け!? だしで食べる和風グラノーラ

久右衛門のだしで食べるグラノーラセット
久右衛門のだしで食べるグラノーラセット

<久右衛門>だしで食べるグラノーラセット(1セット/グラノーラ200g・久右衛門だし×5包)1,685円(税込)

新感覚のグラノーラが<久右衛門>から登場しました。大麦をベースに、大豆、そば、えのき茸、くるみを加え、味噌で焼き上げた国産素材の和風グラノーラ。ここに、だしパック「久右衛門だし」で抽出した相性抜群のだしをかけていただきます。いわし煮干し・かつお節・焼きあご・昆布・椎茸など国産素材だけを贅沢に使用した芳醇なだしと、滋味豊かなグラノーラが混ざり合い、味わいや食感の変化を時間とともに楽しめます。クセになるこの美味しさを、ぜひ一度お試しあれ。

※取扱い:伊勢丹新宿店、伊勢丹オンラインストア
※販売期間:2018年9月19日(水)~10/2(火)

文: 香取里枝

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商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は2018年9月19日(水)~10/2(火)の間、伊勢丹新宿店本館地下1階=粋の座/久右衛門にてお取扱いがございます。また、<久右衛門>の一部商品は伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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期間限定の甘い幸せ♡ ピエール・エルメの焼きたてヴィノエワズリー

クロワッサン オ ザマンド
クロワッサン オ ザマンド

<ピエール・エルメ・パリ>クロワッサン オ ザマンド (1個/日本製)486円(税込) 

<ピエール・エルメ・パリ>からこの期間、伊勢丹新宿店限定でクロワッサン オ ザマンドがお目見え。クロワッサンの中に、コクのあるくるみと華やかな香りのヘーゼルナッツ風味のアーモンドペーストが入っていて、今まで食べたことのない深みのある味わい! 外はサクサク、中はしっとりした生地の食感も楽しめるところは、さすが“パティスリー界のピカソ”と称される巨匠のヴィノエワズリー。1日2回焼き立てが届けられる、2週間だけのお楽しみです。お見逃しなく!

※取扱い:伊勢丹新宿店
※販売期間:2018年9月19日(水)~ 10月2日(火)、各日平日100点限り、土・日・振替休日各日120点限り
※販売時間:午前10時30分~、午後14時~

文: 松本いく子

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、2018年9月19日(水)〜10月2日(火)までの期間中、伊勢丹新宿店本館地下1階=グラン アルチザン/ピエール・エルメ・パリにてお取扱いがございます。<ピエール・エルメ・パリ>の商品は伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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優雅なお月見にいかが? <ピエール・エルメ・パリ>のオリジナル月餅(ムーンケーキ)

Assortiment de 4 Mooncakes ムーンケーキ 4個詰合せ
Assortiment de 4 Mooncakes ムーンケーキ 4個詰合せ

<ピエール・エルメ・パリ>Assortiment de 4 Mooncakes ムーンケーキ 4個詰合せ (1箱・要冷蔵/日本製)3,888円(税込)

9月24日は、中国の中秋節。1年でもっとも美しい満月がみられる日として、古くから月餅を食べる習慣があるのだとか。その月餅を、パティスリー界の巨匠、ピエール・エルメが作ったら……。昨年発表して人気を博した「ムーンケーキ」が、今年は伊勢丹新宿店に登場します。風味あふれるローズ入りアーモンドビスキュイ、ライチのパート・ド・フリュイ、フランボワーズの3つが見事に調和する「イスパハン」は、優雅なおいしさにうっとりしてしまいます。ほかに、柚子と抹茶が香る「テベール エ ユズ」、ショコラとプラリネを組み合わせた「プラリネ エ ショコラ」、アーモンドとバニラの香り高い「アンフィニマン ヴァニーユ」の全4種類が1箱に。パリや香港では“お月見”に家族や親しい人と食べる、人気のアイテムなのだとか。満月の夜の手土産にしたら自慢できそう。

※取扱い:伊勢丹新宿店
※販売期間:2018年9月1日(土)~ ※予定数なくなり次第、販売終了

文: 松本いく子

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商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、2018年9月1日(土)〜数量限定で、伊勢丹新宿店本館地下1階=グラン アルチザン/ピエール・エルメ・パリにてお取扱いがございます。<ピエール・エルメ・パリ>の商品は伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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