阿闍梨餅

地元のみならず全国の人を魅了する京都の銘菓、「阿闍梨餅」。多くの人が一度は食べたことのある人気の京土産で、その美味しさからデパートなどで販売される際には、まとめ買いする人も少なくありません。

阿闍梨餅といえば、もっちり弾力のある卵入りの餅生地と、スッと口どけのよい粒餡の至福のコンビネーション。そんな感動の美味しさの秘密を知りたくて、京都にある<満月>本店を訪ねました。

大正時代から、京都人に愛され続ける味

満月本店外観

京都御所のほど近くにある<満月>は、江戸末期の安政3年(1856年)、出町橋の東詰めで創業しました。幕末の乱世、戦争の疎開などを経て、現在の地へ。名物、阿闍梨餅は大正期に2代目が開発したもので、砂糖や卵が贅沢品だった当時から90年以上を経た現代まで、長くに渡って京都人に愛されてきました。

<満月>5代目店主・西浦裕己さん

<満月>5代目店主・西浦裕己さん

「菓名にある阿闍梨とは比叡山で修行する高僧のことで、厳しい千日回峰修行中に、餅を食べて飢えをしのいだことに由来します」と教えてくれたのは、<満月>5代目店主・西浦裕己さん。

今も昔も京都で愛され続ける阿闍梨餅。その美味しさを支えるこだわりについてうかがいました。

 

一品集中の商いが味わいをより洗練なものにした

昔の満月

<満月>のこだわりのひとつめは、取扱う商品の種類を絞る「一品集中の商い」です。

「第二次世界大戦後、今ある自分たちの力で店を立て直すため、先代の店主は一品集中の商いを選択しました。あちこち手を出して散漫になるなら、数を減らしてひとつのお菓子に情熱を注ぎたい。そうして残ったのが、阿闍梨餅と京納言だったのです」と西浦さん。

現在、<満月>で取扱いのある商品は、「阿闍梨餅」をはじめ「京納言」「満月」「最中」の4つのみ。商品の種類はわずかな分、各商品の味わいは洗練されていったのです。

また、同じ品質をキープするためにどこよりも早く機械化を進めたのも<満月>の特徴。阿闍梨餅がこれほど全国的な有名菓子になった理由のひとつです。

「手作りのすばらしさ、もちろんあります。でも我々のような菓子屋にとってもっとも大切なのは、今日食べたもの、明日食べるもの、1年後に食べるものもすべて、同じ品質であること。ぶれなく応えるのが職人の仕事なのです」

一種類の餡で一種類の菓子しか作らない

餡の材料、小豆をもつ手

次に挙げられるのは、味の決め手となる餡へのこだわりです。<満月>では、「一種類の餡で一種類の菓子しか作らない」という基本方針があります。餡を作る作業には、洗うところから炊き上げて混ぜるところまで、すべてに職人の手がかかっています。釜の傍らには職人がいて、砂糖、小豆、砂糖……と少しずつ分けて加えながら炊き、炊き時間もその日の気候に合わせて、縮めたり伸ばしたり毎日調整され品質を維持しています。

「阿闍梨餅に使う小豆は、大き過ぎても小さ過ぎてもいけません。大きいとつぶれにくく、小さいと皮が多くなりすぎてしまいますから。また、機械化が進んだ今も小豆洗いは必ず職人の手で行います。けっこうな量ですし冬は特に厳しい作業ですが、素材に触れて培われる職人の感覚がきっとあると思うのです」

商品の数を絞り、職人たちの情熱を一心に受けることで、あの阿闍梨餅の唯一無二の美味しさは守られているのです。

出来たての阿闍梨餅は、さっくりとした食感

阿闍梨餅

本店で阿闍梨餅を買うと袋が蒸気でぷっくり膨れていて、手の平にのせるとほんのりあたたか。早速いただいてみると、表面はさっくり歯切れ良く、餡もいつもよりとろりとなめらかです。せっかく本店を訪れたなら、玄関横の床几(しょうぎ)に座ってひとつ頬張ってみるのがおすすめです。

「工房から運んで間もないものは、出来たてならではの味わいが楽しめます。品質を保つため冷やす工程が不可欠ですが、中の餡は60〜65度の温度を保ったままなんです」

自宅では温めて食べるのがおすすめ

阿闍梨餅

<満月>阿闍梨餅 1個 108円(税込)

また、自宅で食べる際は、トースターであたためるなど加熱しても美味しいそう。阿闍梨餅の賞味期限は5日間。時間の経過によって糖分が多少固まってしまいますが、加熱することによって糖分が溶け出し、やわらかく美味しく感じます。

ちなみに日々、試食のため口にする西浦さんのお好みを伺うと…「私は、製造当日よりしっとりが増す翌日が好きですね。もっといえば湿気の多い梅雨、6月ごろが一番美味しいような気がいたします」とマニアックなご返答。

それぞれの季節、それぞれの好みを見つけられるのも、いつも変わらぬ阿闍梨餅の醍醐味かもしれませんね。

文: 立原里穂

写真:高見尊裕
取材協力:阿闍梨餅本舗 京菓子司 満月
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、日本橋三越本店本館地下1階=菓遊庵、伊勢丹新宿店本館地下1階=甘の味/名匠銘菓、ジェイアール京都伊勢丹地下1階=和菓子/京銘菓にてお取扱いがございます。
また、ジェイアール西日本伊勢丹オンラインストアでもご紹介いたしております。

Facebookで、FOODIEをいいね!

Twitterで、FOODIEをフォロー!

Ranking

ランキング

  1. フレンチの名店・北島亭が直伝! 1キロ肉の豪快ローストレシピ
  2. 伊勢丹の人気のバゲット5種。違いと魅力をパンマニアが徹底解説!
  3. 伊勢丹の洋菓子担当が教える、本当に美味しいオランジェット5選
  4. お菓子の宝石箱! 伊勢丹で人気の缶入りクッキー&フールセック6選
  5. 最近人気のフランチャコルタ、最初に飲むべき5本をソムリエが解説!

希少! 国産の黒色さくらんぼが期間限定で登場

山形県産の黒桜
山形県産の黒桜

<山形県産>黒桜(1箱/350g×2)6,480円(税込)【20点限り】

「佐藤錦」「紅秀峰」を長年手がける生産農家が栽培した、黒いさくらんぼ「黒桜」。その中から樹上完熟したもののみを厳選した商品が登場します。国産でこの黒色は大変珍しいのだとか! 1年のなかでもごくわずかな期間にしか手に入らない希少性、みずみずしく上品な甘さ……などその価値が称えられ、別名「黒いダイヤモンド」とも呼ばれる存在。箱詰めで販売されるので、食通の方への贈答用にもチェックしておきたいアイテムです。

※取扱い:伊勢丹新宿店
※天候状況により、販売期間の変更や入荷のない場合がございます

文: 斉藤彰子

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケットにてお取扱いがございます。 

おすすめアイテム一覧へ

梅のうまみがきいてる!食欲そそる鯛の佃煮

<招福楼>鯛紅梅煮
<招福楼>鯛紅梅煮

招福楼鯛紅梅煮(150g) 2,484円(税込)

このお皿が出てきた瞬間、思わず「白ごはんください!」と叫びたくなりました。見た目以上に食欲をそそる「鯛紅梅煮」は、鯛と梅肉を醤油でさっぱりと煮込んだ佃煮です。梅のうまみと酸味、醤油のからさが鯛の上品な甘さをひきたて、ごはんがすすみます。お店おすすめの食べ方はお茶漬けですが、卵かけごはんにのせても美味。老舗料亭<招福楼>の贅沢な味わい、ご自宅で体感してみては?

※取扱い:伊勢丹新宿店

文: FOODIE編集部

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1=粋の座/招福楼にてお取扱いがございます。 また<招福楼>の一部商品は伊勢丹オンラインストアでもお取扱いしています。

おすすめアイテム一覧へ

夏みかんの中にちらし寿司……!?

有職の夏かん寿司
有職の夏かん寿司

<有職>夏かん寿司(1個)1,512円(税込)

夏みかんの「ふた」を外すと、中にはなんとちらし寿司が! 季節感に加え、そんなうれしいサプライズ感も楽しめるのが<有職>の「夏かん寿司」です。ばらちらしの上に鯛、穴子、鮭、海老、枝豆などをトッピング。酢飯には夏みかんの果肉入りで、さわやかな香りが食欲をそそります。小ぶりなサイズは差し入れにもぴったり。場の盛り上げにひと役買うこと間違いなしの逸品は、ぜひここぞというときのキラーアイテムに!


※取扱い:伊勢丹新宿店
※販売期間:2018年5月中旬~8月中旬

文: 斉藤彰子

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=旨の膳/有職にてお取扱いがございます。 

おすすめアイテム一覧へ

<和久傳>の代名詞!食通をうならせるれんこん菓子「西湖」

<紫野和久傳>れんこん菓子 西湖
<紫野和久傳>れんこん菓子 西湖

<紫野和久傳>れんこん菓子 西湖(せいこ)(竹籠5本入り)1,728円(税込)

いまや<紫野和久傳>の代名詞ともなっている西湖。れんこんからとれるデンプンと和三盆で作ったお菓子です。とろんっと非常にやわらかいそれを香りのよい笹の葉からそのままぱくりといただくと、想像通りのとろける食感と優しい甘みに吸い込まれます。のどごしはつるっとしていて、すぐにまた一口と食べたくなる美味しさ。食通たちをうならせている伊勢丹新宿店の人気手土産、さすがといわざるを得ません!

※取扱い:伊勢丹新宿店

文: FOODIE編集部

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=粋の座/紫野和久傳にてお取扱いがございます。 また<紫野和久傳>の一部商品は、伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

おすすめアイテム一覧へ

歯ごたえと甘辛さがクセになる!<浅草今半>の佃煮

<浅草今半>牛肉ごぼう(60g)540円(税込)

言わずと知れたすきやきの名店<浅草今半>。その秘伝の割下でごぼうとやわらかい牛肉を炊き上げた「牛肉ごぼう」は、同店の佃煮シリーズの中でも人気の商品です。ごぼうはささがきなのでシャキシャキとした歯ごたえを残しつつもやわらかい食感。ひとたび口に入れると甘辛さがクセになり、白ごはんがすすみます。オムレツやキッシュの具材としても人気が高いそう。料理好きの方は必見です!

※取扱い:伊勢丹新宿店

文: FOODIE編集部

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1=粋の座/浅草今半にてお取扱いがございます。 また伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

おすすめアイテム一覧へ