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2016.04.03

読み物・コラム

発見! 液だれしない驚きの醤油差し

毎日の食卓で使う醤油差し。なくてはならない存在ですが、ひとつだけ、些細だけどとても気になる問題が……そう、「液だれ」です。さし終わって持ち上げたとたん、注ぎ口に残った1滴が、容器をツーッと伝って白いスカートの上にポトッ……。しかし、そんな惨劇の歴史に終りを告げる画期的な醤油差しが登場したとか! その名も「THE 醤油差し」です!

 

醤油が勝手に戻る! 驚きの動画をチェック

「液だれしない醤油差し」なんて、「痩せるケーキ」くらいありえない存在と感じてしまいますが、百聞は一見にしかず。まずは、以下の動画をご覧ください。

本当に液だれしていない……! とくに、最後に残った1滴が、たれる! と見せかけて、中に吸い込まれるように消える瞬間に注目です。

この驚きの醤油差しを開発したのは、「THE株式会社」。

水野学氏、鈴木啓太氏ら著名デザイナーが主催する同社は、「定番・新基準となる製品をつくる」ことをコンセプトに、醤油差しから電動自転車までさまざま製品開発に取り組んでいます。
同社代表取締役社長の米津雄介氏に「THE 醤油差し」の開発秘話をうかがいました。

発想の転換で生まれた芸術的な「液切れ」

醤油差し

「『醤油差しとは、液だれするもの』というのが日本人の共通認識としてありますよね。ならば絶対に液だれしないものをつくれば、醤油差しのひとつの物差しになるのではないか、とTHEの会議で議題となったのが発端でした」(米津さん)

なぜ、液だれしないのか。秘密は、これまでの醤油差しの概念にとらわれない、斬新な発想にありました。

「醤油が入っているボトルの口部分に醤油が触れないようにしたらどうか、と考えることからスタートしたんです。『表面張力』を利用すれば、ボトルの上に乗っている栓の部分だけを醤油が伝っていき、そもそもボトルの口には醤油が触れないのではないか、醤油が触れていないのだから液だれする訳がない。醤油が注ぎ口から出る/戻るときの道筋をきちんとつくれば、容器の中に自然に醤油が戻っていくだろう、と」(米津さん)

しかし、そのアイデアを製品として形にしようとした際、さまざまな困難が待ち受けたと言います。

「完成するまで1年半、ほぼ毎日、工場の技術者とデザイナーがやり取りを繰り返しましたね。まず、プラスチック製品のような精度の設計をガラスで量産化してくれる工場がなかなか見つからず、5社目でようやく石塚硝子グループ・アデリア株式会社さんがトライしてくれることに。結果的にこれが功を奏することになりました。デザイン段階ではソーダガラスという一般的なガラスを使用することを想定していたんですが、 このデザインならばより透明度の高いクリスタルガラスのほうがいいだろうと提案いただいたんです」 (米津さん)

食卓で映える機能美

THE 醤油差しと外箱

<THEブランド>THE 醤油差し 3,780円(税込)

試行錯誤の結果、冒頭の動画に見られる芸術的な「液切れ」が誕生。この機能だけでも醤油差し界の革命といえそうですが、優れているのは、それだけではありません。どんなシーンの食卓でも邪魔しない、シンプルながらも機能美にあふれた形状も大きなポイントです。

「形状のポイントは3つ。多くの人が醤油差しと聞いてイメージするであろう形にすること、先に伝えた透明度の高いクリスタルガラスの使用、そしてサイズ感です。素材を透明なガラスとしたことで、中身がクリアに見え、食卓が美味しそうになるなと。中身の減りもわかりやすいですよね」(米津さん)

従来の醤油差しに比べ、実容量を80mlと少な目にしたのも理由があるそう。

「日本人の食卓は、かつてほど和食が頻繁ではなくなってきていますよね。それに伴い、醤油の使用量も減っている。食卓において新鮮なうちに使い切れる量を考えたとき、従来よりも少量にとどめるサイズが相応しいと考えました」(米津さん)

「ひとつの基準」の誕生から、さらなる進化を

さまざまな知恵と努力の結集で誕生した醤油差しは、発売後「非常に好評いただいている」と米津さん。発売から1年半で約2万個を売り上げ、欠品状態となってしまうことも。

そんな「THE 醤油差し」ですが、醤油差しの最終形態ではなく、ここからさらに新たな製品が生まれてほしいといいます。

「私たちの意義は、ひとつの製品ジャンルの中で未来の定番と呼べるもの、ゼロポイントとなるような基準値をつくること。ですので、この製品が世の中の醤油差しの基準となってほかの製品のブラッシュアップに繋がっていくことは大歓迎ですね」(米津さん)

醤油差し=液だれするものという常識はもはや過去のもの。ささやかな食卓のエポックメイキングを、ぜひ日常の中で体感してみてください!

プロフィール:THE株式会社
プロダクト製品全般の企画・製造・卸・小売を行うブランド「THE 」を運営すると同時に、デザインを中心とした商品開発から販売戦略までを統合的に行う「THE コンサルタント」を多種多様な企業から請け負う。good design company 水野学、PRODUCT DESIGN CENTER 鈴木啓太ら著名デザイナーが在籍し、中川政七商店 中川淳、THE株式会社 米津雄介がマネジメントを担当。「世の中の定番と呼ばれるモノの基準値を 引き上げる」ことをビジョンとしてさまざまなプロダクトを手がけている。

文: 斉藤彰子

動画・写真提供:THE株式会社
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