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2016.02.15

特別編 犬山紙子の「日本橋三越本店・食品フロア探検隊!」 和菓子の丘陵へ

日本橋三越本店の「菓遊庵」を訪問した犬山さん

人気エッセイストの犬山紙子さんが、伊勢丹新宿店本館地下1階、美食の食品フロアの秘密をレポートする好評連載。今回は特別編として、いつもの新宿を飛び出して、日本橋三越本店の和菓子コーナーへ。「女子力アップしそう!」が連発された探検をレポートします。

全国の銘菓が350種揃う! 和菓子天国・菓遊庵

生鮮食品からグロッサリーまで、世界の美味が渦巻く日本橋三越本店の食品フロアの中で、訪れることの多い場所のひとつ、菓子コーナー。手土産やおもたせ、御礼にプレゼント、はたまた自分へのご褒美と、がんばる大人たちの強い味方です。用がなくてもつい寄ってしまう、なんて人も多いはず。とりわけ全国の銘菓を集めた菓遊庵(かゆうあん)は、ふらりと気軽に立ち寄りやすい雰囲気です。左党なイメージの犬山紙子さんですが「実は甘いもの好きなんですよぉ」と、笑顔で登場。

日本橋三越本店の「菓遊庵」で説明を受ける犬山さん

日本橋三越本店の本館地下1階にある「菓遊庵」を担当の伊勢本拓也さんがナビゲートしてくれました。色鮮やかなパッケージのお菓子がずらりと並ぶコーナーが見えてくると、伊勢本さんを追い抜く勢いで棚に駆け寄る犬山さん。「かわーいーいー」を連発するなど、これまでにない(?)女子なテンションで探検がスタートしました。

犬山紙子さん(以下、犬山) わー、これきびだんごですよね? かわいーいー!

伊勢本拓也さん(以下、伊勢本) ありがとうございます。岡山<廣榮堂>の『きびだんご(※)』です。昔話の桃太郎に出てきますが、話は知っているけれど、実際にきびだんごを見たことがない、というお子さんは意外と多くてとても喜ばれるんですよ。

※ こちらの商品は期間限定商品となり、現在お取扱いを終了しております。

犬山 わ、私もだ。きびだんご、よく考えたら食べたことない……。

伊勢本 ははは。失礼しました。大人の方でも、初めてという方はいらっしゃるのでご安心ください(笑)。

犬山 このお干菓子は京都からで、この飴はご近所日本橋のもの! いったい何種類くらいのお菓子が揃っているんですか?

伊勢本 約350種類ございます。

犬山 え、えぇーーー!

伊勢本 品数だけでなく、節分やバレンタインなど「季節ならではの商品を展開する」、「期間限定のものを揃える」、毎朝各銘店から運ばれてくる「本日入荷のものが並ぶコーナーを用意する」など、さまざまな工夫をしています。いつもお越しくださるお客さまの中には、店頭にお菓子が並ぶスケジュールをチェックしてご来店くださる、『菓遊庵マニア』もいらっしゃるんですよ。ありがたいことです。

日本橋三越本店の「菓遊庵」の本日入荷した和菓子

厳しい基準をクリアし、選び抜かれた逸品揃い

日本橋三越本店の「菓遊庵」、茶席菓子のショーケースと犬山さん

店頭を囲むように並ぶのは、北海道から九州・沖縄まで47都道府県の銘菓。菓遊庵の商品は、殿堂入りクラスの定番商品からバラで買える商品までバラエティ豊か。「1個から買えるなんて私みたいな食いしん坊にぴったりだよ!」という犬山さん、大はしゃぎです。

日本橋三越本店の「菓遊庵」の人気和菓子のディスプレイ

犬山 この中身がわかるディスプレイが楽しいですよね。どんな基準でセレクトされているんですか?

伊勢本 歴史ある老舗であること、素材選びや製法にストーリーがあること、今を象徴する時代性があること、高品質な商品であること、季節や文化を表現するものであること。これらのいずれかに当てはまるものをご紹介しております。老舗のカテゴリーでご紹介するのは、創業60年を超える店がほとんどです。

犬山 本当だ! この『そば餅』の京都の<尾張屋>なんて、寛正6(1465)年の創業! これ、織田信長も食べてたかもしれないってこと!?

伊勢本 どうでしょうね(笑)。三越も百貨店の中では歴史が長いほうかもしれませんが、比べたらまるで子供のようです。

犬山 すごいなあ、菓遊庵。いったいどんなお客さんが多いんですか?

伊勢本 和菓子入門の場として使われる若い世代の方から、お茶の先生まで幅広いですね。どの世代の方でも女子会はするようで、お年を召したお客さまもご友人との集まりにお持ちになるお菓子を探しにいらっしゃいます。

犬山 おばあちゃんの女子会ですね! なるほど。いくつになってもやることは一緒(笑)。女子会はデトックス、元気の素ですからね。

伊勢本 一方で故郷の懐かしい味、旅先で出合った美味しいものを探しにいらっしゃる方には、意外に男性も多いんですよ。

甘さの中にある歴史や思い出、物語も味わえる

老舗の逸品や郷土菓子などから、伊勢本さんがセレクトした和菓子を試食しました。「わーい、これは最高のおめざになります」と犬山さん、ご機嫌です。

伊勢本 まずは、福島銘菓<三万石>の『ままどおる』をどうぞ。

出身地である仙台の銘菓、ままどおるを持つ犬山さん

犬山 これ、私の大好物なんですよ! 昔仙台に住んでいた頃、よく食べていたんです。わあ、懐かしい。『ままどおる』を大量に食べていた思春期の思い出がよみがえります。中の餡がしっとりしていて美味しいんですよね。母の愛に包まれたかのようなやさしい甘さよ……。

伊勢本 喜んでいただけてよかったです。先ほどご紹介した、きびだんご(※)も召し上がっていただきましょう。

きびだんごで気合いが入る犬山さん

犬山 犬、猿、雉が命をかけた味ですからね! うん、やわらかい。甘さが上品です。よし、鬼退治しますよ!

※ こちらの商品は期間限定商品となり、現在お取扱いを終了しております。

月よみ山路を食べる犬山さん

伊勢本 ははは。お次は石川の江戸創業の老舗<松葉屋>の、栗蒸し羊羹『月よみ山路』を召し上がってみてください。こちらもとても人気がある商品です。

犬山 これ、相当な栗オタクな人が作っていらっしゃる感じがしますね。うわ、めっちゃ高級な栗を食べている感じです。美味しい。ねちっとした食感で、栗がぎっしり! 甘いのにたくさん食べられてしまいそう。

 

菓匠 花見のはさみ菊を持つ犬山さん

日本橋三越本店の和菓子コーナーでもう一軒、立ち寄りたいのが埼玉・浦和(現さいたま市)で大正元年に創業した<菓匠 花見>。大安の日に日本橋三越本店限定で1個のみ販売される煉切『はさみ菊』が有名です。「これはサイズからしておめでたい感じですね。誰かのために買いたい、いや、買って欲しい!」と、犬山さん。日本橋三越本店でしか出合えない老舗の味、地方の味を満喫されたようです。

 
犬山紙子さんのイラスト

いつの時代も変わらない、女子会。女の友情は一緒に甘いものを食べた数だけ深まるのかもしれない (絵・犬山紙子)

犬山紙子さん

犬山紙子

エッセイスト。2011年、美人なのになぜか恋愛で失敗する女たちの悲惨で笑えるエピソードを独自のイラストと共にまとめたエッセイ『負け美女』(マガジンハウス)でデビュー。テレビ、雑誌、ラジオなど各種メディアで活躍中。『女は笑顔で殴りあう マウンティング女子の実態』(瀧波ユカリ共著、2014年)他、著書多数。写真は、はさみ菊をもつ犬山さん。

文: 佐々木ケイ

写真:鈴木慎平
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

バイヤー・スタイリスト / 伊勢本拓也
日本橋三越店本店の本館地下1階「全国の銘菓 菓遊庵」担当5年目。味・素材・地域・歴史・ストーリーなど多様な切り口がある和菓子の魅力を伝え、和菓子好きのお客さまとの会話を楽しむべく、日々勉強中。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、日本橋三越本店本館地下1階=菓遊庵、菓匠 花見にてお取扱いがございます。
独自の味覚と感性で厳選した全国の銘菓をお届けするお菓子のセレクトショップ、三越オンラインストア「菓遊庵」はこちら。
伝統の味わいと、創意工夫によって生まれる新しい美味しさを取りそろえた、三越オンラインストア「和菓子セレクション」はこちら。

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