蝋梅

氷ばかり艶なるはなし。苅田の原などの朝のうすこほり。ふりたるひはだの軒のつらら。枯野の草木など、露霜のとぢたる風情、おもしろく、艶にも侍らずや。(心敬)

年明けて、一年でもっとも寒く大気も大地も冷え冷えとする季節を迎えました。二十四節気の「小寒」が「寒の入(かんのいり)」、そこから「立春」までの「大寒」を「寒の内(かんのうち)」と呼びます。

冬至より一陽起るが故に陰気に逆らう故益々冷る也(暦便覧)

『字統』によると「寒」の字形は、屋内に草を積みあげ、床には敷物を敷いて寒気を防ぐかたち。例年ワークショップなどで「冬」のイメージを聞いてみると「寒いから反対に炬燵とか、火を囲んでの団らんを思い出す」という方が多いのですが、動物が冬籠りをしたり、梢の冬芽(休眠芽)が幾重にも衣で包まれているように、寒い冬は生き物みんな、暖をとる工夫をして命を守るのですね。

この冬は暖かく、スキー場では「雪乞い」の祈祷までしているとか。ぼんやりとこのまま春になると、どこかに歪みが出るのではないかと心配ですが、それでも冬空はどこまでも澄んでいて、冬の夜空に星は輝きを増しています。冬らしさに想いを巡らせるよう、寒、凍、雪、氷、冷、冬などがつく季語を幾つか辿ってみましょう。

車の窓にはった氷の結晶

 

寒空の下でする「寒稽古」や「寒中水泳」「寒垢離(かんごり)」は、想像するだけで身が引き締まります。激しい稽古で心身が清められ、身体の芯や真を磨くのでしょう。禅宗寺院に住み込んでいた時の、冬の作務や座禅を思い出します。
お酒の「寒造」は「寒九」というもっとも寒さが厳しい寒の入から九日目の水を汲んで行いました。寒九に汲んだ水は清らかで、風邪の予防やお腹の薬になるとされ大事に飲まれていたそうです。清らかな雑菌の少ない水を使って白玉粉は「寒晒(かんざらし)」され、「寒紅」はこの水を使うとひときわ紅の色が鮮やかだと言います。冬の太陽の光と風に晒し、氷結と乾燥で作られる様子を表す「凍み豆腐作る」や「索麺(そうめん)干す」も冬の季語です。

夜空を見上げれば「寒月」が。研ぎ澄まされた三日月や明るい満月は孤高の青白さです。冬の天の川は「冬銀河」、豊作を告げる昴は「寒昴」、オリオンの三ツ星や北極星、北斗七星は宮沢賢治の童話でもよく知られており冬の夜空のシンボルですね。星々の輝きはことに宇宙の奥深さも感じさせてくれます。夜の海と同じように少し怖いくらいです。

霜柱

冬の月夜、雪原に月映える「雪あかり」。雪の降り積もった夜、外に出るとシンとした青白い世界に息を呑んだことはないでしょうか。雪はまた「雪月花」といいならわされ、日本人の美意識を象徴するもののひとつでもあります。「花見」「月見」と並んで「見る」ことで豊凶を占うものでもありました。季語にはどこか遠くから舞い飛んでくる「風花」もあります。雪は水が空気中で氷の結晶になったもの。その天から降ってくる雪を凝視して中谷宇吉郎さんは「雪は天からの手紙である」と書いています。落ちてくるそれを手のひらで受ければ、一瞬で溶けてしまう手紙は、はかなくなった人からの言伝なのかもしれません。

わが園に梅の花散る久方の天より雪の流れくるかも(大伴旅人)

万葉集では主に「白梅」が歌われています。大伴旅人は太宰府より戻り、庭に今は亡き妻と手植えした梅の白い花びらがはらはら散るのを雪と見立て、懐かしい人より届く天からの音信と感じ取ったのでしょう。

梅の佇まいを見ると鉄(くろがね)のごとき老木に白玉のような蕾は文人好み、花は清らかで、少なめが良く、痩せさらばえた枯淡(こたん)が尊ばれます。また、古くは冬の夜、香りで梅の花と知れることこそ風流とされ、「暗香浮動(あんこうふどう)」に春の訪れを感じ取りました。

雪のつく潅木(かんぼく)には「雪柳」があります。こちらも梅や桜と同じバラ科で、細かい花がまず咲きます。「小米花(こごめばな)」「えくぼ花」「噴雪花(ふんせつか)」などの別名を持ち、柳のようにやわらかな枝に小さな白い花が群れて咲くので、山の斜面に群生しているとまるで雪のようだといいます。

雪の多い土地で育った人ならば、「雪洞(ぼんぼり)」や雪で作った神の蔵「かまくら」も幼な心をくすぐりますね。「雪だるま」や、ゆずり葉の耳、南天の実の目、「雪うさぎ」も作ったでしょうか。

「冬の美」の再発見が、春、夏、秋を感じる源となる

水仙

冬至から徐々に太陽高度は高くなって日脚も伸びてまいります。太陽の光は、大きな掌で大地を再び温め始め、高度の上昇とともに土もぬるみ、動植物は眠りから覚めていきます。先ほどの梅のほか、山茱萸(さんしゅ)や蠟梅(ろうばい)、満作などがそれぞれの黄色で咲くでしょう。暖かい今年の正月は、蠟梅が去年の黄葉(もみぢ)をつけ残したまま咲いているのを見かけます。産毛をまとった綿棒のような蕾が膨らんで、やがて冬の空の青に香りとともに開く蝋質の花弁が美しいのです。

凍てついた冬に、雪や霜を割って先駆けて咲くのは福寿草。水仙は群れて甘やかな芳香を漂わせます。海へびの尾のような葉は緩やかにねじれて伸びます。やがて清冽に苦味走ってむっちりとした蕗の薹(ふきのとう)も見つかりますね。

冷たさも、寒さも、しもやけも、かじかんだ手も、霜柱も、木枯らしも、氷雨も豪雪も、凍土も、あかぎれの指も、冴えた月も、白い息も、波のように押し寄せては、いつか過ぎていってしまいますが、それぞれの生を象(かたど)っていく大切な時として愉しめるものだと思います。最初に挙げた心敬の言葉にあるような「冬の美」の再発見は、万物笑う春の若々しさや、緑滴る夏の瑞々しさや、錦繍豪奢(きんしゅうごうしゃ)な秋の艶やかさに深度と重力をもたらす根本だと思うのです。

花と食で彩る日本の暦〜二十四節気『清明』_4塚田有一(つかだ ゆういち)

ガーデンプランナー/フラワーアーティスト/グリーンディレクター。 1991年立教大学経営学部卒業後、草月流家元アトリエ/株式会社イデーFLOWERS@IDEEを経て独立。作庭から花活け、オフィスのgreeningなど空間編集を手がける。 旧暦や風土に根ざした植物と人の紐帯をたぐるワークショップなどを展開。 「学校園」「緑蔭幻想詩華集」や「めぐり花」など様々なワークショップを開催している。

文: 塚田有一

写真:みやはらたかお

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秋グルメの最高峰!? トリュフ香る贅沢スープ

カフェプルニエパリのクリームスープ バゲット付
カフェプルニエパリのクリームスープ バゲット付

<カフェ プルニエ パリ>クリームスープ フレッシュトリュフを添えて 3,240 円(税込)

パリ・マドレーヌにあるカフェレストラン<カフェ プルニエ>の日本第一号店が、2018年10月5日(金)に伊勢丹新宿店にオープン! ぜひとも味わいたい季節限定メニューがこのスープ。イタリア産フレッシュ黒トリュフと、フォアグラを贅沢に使った一品です。添えられたエディアールのバゲットに、卵黄を溶かしたスープをたっぷりとしみ込ませれば、さらに美味しさ倍増! スープボウルから立ち上るスライストリュフの香りと、濃厚なフォアグラ、クリームスープが三位一体となって醸し出す、美食体験をぜひ!

※取扱い:伊勢丹新宿店
※販売期間:10月17日(水)~31日(水)

文: 原口りう子

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=プラ ド エピスリーにてお取扱いがございます。またピエール・エルメ・パリの商品の一部は伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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1粒300円超え! 地味だけど唸る美味しさ

ぼうだい本舗の露渋栗
ぼうだい本舗の露渋栗

<ぼうだい本舗>露渋栗(1個入り) 335円(税込)

京都の老舗甘納豆店<ぼうだい本舗>の「露渋栗」は、なんと1粒300円を越える高級和風グラッセ。ちょっとしたケーキほどのお値段ですが食べてみれば納得。口の中に広がる上品な味わいは、熊本県産の和栗本来の甘さ。濃いめのほうじ茶と一緒に食べれば、至福の瞬間が訪れます。素材の味を生かす丁寧な仕事に、食通のあの人も唸るはず。ここぞというときの手土産におすすめです。

※取扱い:伊勢丹新宿店

文: 嘉藤美保子

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=甘の味/名匠銘菓にてお取扱いがございます。 
また、伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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まるでお茶漬け!? だしで食べる和風グラノーラ

久右衛門のだしで食べるグラノーラセット
久右衛門のだしで食べるグラノーラセット

<久右衛門>だしで食べるグラノーラセット(1セット/グラノーラ200g・久右衛門だし×5包)1,685円(税込)

新感覚のグラノーラが<久右衛門>から登場しました。大麦をベースに、大豆、そば、えのき茸、くるみを加え、味噌で焼き上げた国産素材の和風グラノーラ。ここに、だしパック「久右衛門だし」で抽出した相性抜群のだしをかけていただきます。いわし煮干し・かつお節・焼きあご・昆布・椎茸など国産素材だけを贅沢に使用した芳醇なだしと、滋味豊かなグラノーラが混ざり合い、味わいや食感の変化を時間とともに楽しめます。クセになるこの美味しさを、ぜひ一度お試しあれ。

※取扱い:伊勢丹新宿店、伊勢丹オンラインストア
※販売期間:2018年9月19日(水)~10/2(火)

文: 香取里枝

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は2018年9月19日(水)~10/2(火)の間、伊勢丹新宿店本館地下1階=粋の座/久右衛門にてお取扱いがございます。また、<久右衛門>の一部商品は伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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期間限定の甘い幸せ♡ ピエール・エルメの焼きたてヴィノエワズリー

クロワッサン オ ザマンド
クロワッサン オ ザマンド

<ピエール・エルメ・パリ>クロワッサン オ ザマンド (1個/日本製)486円(税込) 

<ピエール・エルメ・パリ>からこの期間、伊勢丹新宿店限定でクロワッサン オ ザマンドがお目見え。クロワッサンの中に、コクのあるくるみと華やかな香りのヘーゼルナッツ風味のアーモンドペーストが入っていて、今まで食べたことのない深みのある味わい! 外はサクサク、中はしっとりした生地の食感も楽しめるところは、さすが“パティスリー界のピカソ”と称される巨匠のヴィノエワズリー。1日2回焼き立てが届けられる、2週間だけのお楽しみです。お見逃しなく!

※取扱い:伊勢丹新宿店
※販売期間:2018年9月19日(水)~ 10月2日(火)、各日平日100点限り、土・日・振替休日各日120点限り
※販売時間:午前10時30分~、午後14時~

文: 松本いく子

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、2018年9月19日(水)〜10月2日(火)までの期間中、伊勢丹新宿店本館地下1階=グラン アルチザン/ピエール・エルメ・パリにてお取扱いがございます。<ピエール・エルメ・パリ>の商品は伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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優雅なお月見にいかが? <ピエール・エルメ・パリ>のオリジナル月餅(ムーンケーキ)

Assortiment de 4 Mooncakes ムーンケーキ 4個詰合せ
Assortiment de 4 Mooncakes ムーンケーキ 4個詰合せ

<ピエール・エルメ・パリ>Assortiment de 4 Mooncakes ムーンケーキ 4個詰合せ (1箱・要冷蔵/日本製)3,888円(税込)

9月24日は、中国の中秋節。1年でもっとも美しい満月がみられる日として、古くから月餅を食べる習慣があるのだとか。その月餅を、パティスリー界の巨匠、ピエール・エルメが作ったら……。昨年発表して人気を博した「ムーンケーキ」が、今年は伊勢丹新宿店に登場します。風味あふれるローズ入りアーモンドビスキュイ、ライチのパート・ド・フリュイ、フランボワーズの3つが見事に調和する「イスパハン」は、優雅なおいしさにうっとりしてしまいます。ほかに、柚子と抹茶が香る「テベール エ ユズ」、ショコラとプラリネを組み合わせた「プラリネ エ ショコラ」、アーモンドとバニラの香り高い「アンフィニマン ヴァニーユ」の全4種類が1箱に。パリや香港では“お月見”に家族や親しい人と食べる、人気のアイテムなのだとか。満月の夜の手土産にしたら自慢できそう。

※取扱い:伊勢丹新宿店
※販売期間:2018年9月1日(土)~ ※予定数なくなり次第、販売終了

文: 松本いく子

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、2018年9月1日(土)〜数量限定で、伊勢丹新宿店本館地下1階=グラン アルチザン/ピエール・エルメ・パリにてお取扱いがございます。<ピエール・エルメ・パリ>の商品は伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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