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2015.04.16

読み物・コラム

失われた味を求めて。「伝統野菜」をもっと知りたい、食べたい

「伝統野菜」とは、日本の各土地に昔から根づき、種採りを行い受け継がれてきた「在来野菜」のこと。自然淘汰に耐え、環境の変化に順応し、生き延びてきた強い種なのです。

そんな「在来野菜」は今、巷ではほとんど見かけなくなってしまい、絶滅してしまったものも多いとか。私たちの生きる力を支えてきた、昔ながらの「力強く濃い味わい」を持った伝統野菜の今を、伊勢丹新宿店・フレッシュマーケットの右原洋平アシスタントバイヤーに語ってもらいました。

未来の世代につないでいきたい

「昔は、野菜といえば、在来野菜のことを指していたことが多いと思います。サイズが揃わない、収穫時期がズレる、収量が少ないなど、小売や流通に不適合だからという理由で無くなってしまうのはあってはならない。日本各地の食文化を支えてきた在来野菜を、そしてなんといってもその味わいを、これからの世代にもつなげていきたい。そんな想いから、2013年9月より、伊勢丹新宿店では販売を開始しました」と、右原アシスタントバイヤーは熱く語ります。

小売店に行って、季節を問わずいつも同じ野菜がきれいに揃っているのは、数十年前までは当たり前ではなかったのです。

青森の高校生が復活させた「南部太ねぎ」

白みがどっしりと太く、焼いても鍋にしてもトロッと甘くて柔らかい「南部太ねぎ」。その柔らかさや大きさゆえに、途中で折れやすくて流通コストもかさみ、栽培時に土が入りやすくて見栄えが悪く、絶滅に瀕していたそう。

失われた味を求めて。「伝統野菜」をもっと知りたい、食べたい_2

「この青森県の『南部太ねぎ』は、県立名久井農業高校の先生と生徒たちが、たったひとりだけになってしまっていた生産者を探し出し、試行錯誤の末に見事復活させた在来野菜のひとつです。伊勢丹新宿店では、2014年10月~今年の1月くらいまで店頭販売していました。1月には、名久井農業高校の生徒たちも店頭販売にかけつけてくれ、お客さまと触れ合うきっかけを作れました」

次回の販売は2015年の秋、それが在来種

失われた味を求めて。「伝統野菜」をもっと知りたい、食べたい_3

warmerwarmer高橋さん(下段右から2番目)と生産者のみなさん

「今回販売に至ったきっかけは、在来野菜の仕入れを行うwarmerwarmer高橋一也さんと私で、南部太ねぎの生産者と出会ったこと。高橋さんが、販売が始まる時期に産地へ赴き、消費者からの手紙やメッセージを生産者に伝えていただけたことで、栽培することへの情熱をつなげられたと思います。新宿店でのこの冬の取り組みを産地に持って帰り、2015年秋からの販売を楽しみにしてほしいですね。在来種は年中出回ってないので、次に新宿店に並ぶのは半年以上先ですよ」。

在来種という野菜を知って、食べてほしい

「私も含め消費者ができることは、『食べること』が、在来野菜をつなぐことになる思っています」と右原さん。普段食べている野菜の1種類でもよいので、在来野菜に変えてみる。店頭で「在来野菜はどこですか?」と、声にするだけでも、在来野菜を残すことに大きな進展になるのです。「お客さまのひと言に、どれだけの生産者が勇気付けられるのか、直接生産者と接したことで、私も実感しました」。

火を入れても、漬けても、生でも十分美味しい。野菜そのものの食感や味わいがブレず、エグ味もうま味のうち。生命力を感じる、とても滋味深い味わい。「昔、食べていた野菜の味がする」といった年配の方にも、「こういう味を求めていた」という若い世代の方も。在来野菜に注目です。

文: 羽生田由香

※「FOODIE」2015年1月号掲載の再編集記事です。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

バイヤー・スタイリスト / 右原洋平
三越伊勢丹の生鮮アシスタントバイヤー。
早起きなのでバイヤールームの鍵あけ当番。個人的にパンを中心に粉もの好き。おすすめしたい商品は「かたまりのお肉!」

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケットにてお取り扱いがございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。