鮮やかに染まるもみじ

すこしずつ冬の足音が聞こえはじめる季節

神無月10月の二十四節気は「寒露(かんろ)」と「霜降(そうこう)」。美しい月に見惚れたり、金の稲穂の刈り取りや、たわわな果実の収穫を慌ただしくしているうちに季節は駆けていき、冬がもうすぐそこまで来ているのだな、という感じがします。

「寒露」は結んだ露が冷気によって凍る頃。冬鳥が列島に飛来しはじめ、菊の花の開く頃。「霜降」は露が霜となって降り始めます。大地は氷の結晶で薄化粧し、木枯(こがらし)は楓や蔦を染めていきます。

紅葉前線は山裾を駆け下り、国土のおよそ7割を占める森の樹々を彩っていきます。山に「錦秋」の錦を織るのは竜田姫。春の左保姫と一対となる女神です。もともとは風の神様で、竜田山の紅葉も彼女の息吹で色づき、織り上げられるのでしょう。

竜田と言えば、在原業平の「ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれないに水くくるとは」は有名です。水底に沈み積もる紅葉、岩陰に溜まる紅葉、裏を見せ表を見せて散る紅葉、流れに覆いかぶさる紅葉した梢、水面に映る紅葉影。竜田川は真っ赤な紅葉のトンネルで括られ、紅葉を縫いながらくぐり抜けていく、そんなイメージなのでしょうか。どこからが流れなのかもはやわからないくらい、紅葉に埋め尽くされた中で、水流の音だけがする情景が目に浮かびます。

儚い生命のきらめきを愛で、遷(うつ)し、祝う

実は植物学的には「モミジ」という科や属はありません。カエデ科カエデ属の中でも、特に紅葉が赤く綺麗なもので、子どもの手のような葉形のもの(イロハモミジ、ヤマモミジ、オオモミジなど葉が五つ以上に切れ込んでいるもの)を「モミジ」と呼びます。そしてこの「モミジ」として親しまれているカエデの仲間はほとんどが日本列島に自生するものなのです。風景は情緒をつくります。もみじの多層な赤のグラデーションは、色彩へ微細なニュアンスを私達の五感や、表象文化にもたらしたもののひとつでしょう。

一口に「あか」といっても、漢字だけでも赤、紅、朱、茜、緋、丹などなど。色は昔から薬でもありました。見たり身につけたり、香りを嗅いだりして身体に取り込んでいきます。赤は太陽、炎、血というエネルギーの源も意味し、大地の土の色でもあり、浄化も意味しました。


紅葉は、冬の訪れの前の生命の最後のきらめき、燃焼です。鮮やかな、艶っぽい赤は一瞬の儚いものです。その先には死(眠り)があり、落ち葉や枯れ葉となります。楓等は冬枯れの幹もつややかなもので、新緑もまた美しい。私達はまた来年の緑や花の燃え上がり(再生)を祈りつつ「紅葉狩り」や「紅葉賀(もみじのが)」でうつろいを愛で、目に焼き付け身に遷し、生きることと重ねて祝うのでしょう。

様々な色合いを見せる木々

紅葉の名所は各地にありますが、名所と呼ばれなくても美しい場所は沢山あります。里山のいわゆる雑木林の段だら模様も美しいものです。澄んだ空には艶やかなナナカマドやウルシの赤や、ダケカンバやハルニレなどの黄、ブナやケヤキ、クヌギやトチノキなどの褐色系が、常緑の杉や椎や松の仲間に混じって山を彩ります。

カブトムシやクワガタを捕った、夏の緑の林が今やこんなに色づき、命が横溢(おういつ)していたあの夏が今は水気を失い、かさこそと葉ずれの音をさせ、朽ちていく葉の匂いが鼻腔をくすぐります。ふとそんな少年時代を思い出します。赤い実のガマズミやイイギリナンテン、カマツカ、ノイバラ等も目立ちます。

前回も書きました通り「花」は春の季語で「花野」は秋の季語。小さめの色とりどりの花が群れ咲く野では名も知らぬ草の葉の紅葉も「草紅葉(くさもみじ)」と呼ばれ、より奥ゆかしい秋の風情を生んでいます。秋蝶が舞い、虫が鳴き、金色のエノコロソウや、ヨモギやアワダチソウ、ツタウルシやらヤマブドウやら、それらを見るだけで多様な生の営みを知ることができます。

木々の隙間から見える秋の空

街では街路樹として植えられた銀杏やアメリカ花水木、槐(えんじゅ)や桜の並木も目を楽しませてくれますね。よく見ると葉は1枚として同じものはなく、1本の木の中でもそれぞれの役割があります。

猫じゃらしだって、ギシギシやススキだって、渋くて綺麗な草紅葉を見せてくれます。都市の樹木とか道ばたの雑草と言うと一様な感じがし、さほど注意を向けないかもしれません。でも、一歩踏み込んで目を凝らしてみれば奥の扉が次々と開いてくるように思います。その1枚の葉に、ひとひらの花に、1本の木に出会うということが、自分にはとても大事なのです。

「紅葉」と書いて「もみじ」と読みますが、もともとは「もみち」と呼ばれていました。それも特定の植物をさす訳ではなく、秋に草木が赤や黄に変わることを「もみつ(紅葉つ、黄葉つ)」や「もみづ」といいました。

この言葉は紅花の色素から手間ひま掛けて「紅(べに)」を「揉み出す」ことと通じ、緑の葉に潜んでいた赤(アントシアニン)や黄(カロチノイド)が、時雨(しぐれ)や霜など、寒さや冷たい風雨、氷によって揉み出されてくるものと見ていたのですね。
実際本紅は「寒中丑紅」という言葉もあるように、1年の最も寒い時期に冷たい清らかな水を使って揉みいだし、つややかな赤を生み出してきました。女性の一生と「紅」は深い繋がりがあり、通過儀礼にはつきものです。七五三や結婚式で、母が娘に紅をさしてあげる風習もあったそうです。

古来、人は「あか」のちからを感じ、共に歩んできた

茜色に染まる秋の夕焼け

赤は古来魔除けの色です。春秋のお彼岸は牡丹餅お萩の小豆餡、お正月やクリスマスの赤い実、雛祭りの菱餅、小正月の花びら餅などでも使います。赤を明るくかがやく色というもともとの意味でとらえれば、菊の黄色や、鏡餅の橙(だいだい)、ハロウィンのランタン、冬至の柚なども同じ意味を持ちます。赤は暁(あかつき)の太陽の色、生まれたばかりの赤ちゃんの色。

「赤」という漢字も人が火によって浄められたかたちだと言われています。太陽と小さい太陽である火の再生、新生のちからを「あか」から感じ、それを身につけたり、食したりしてきたのです。夜という闇から再生した「あか」や闇を照らす「あかり」や炎は魔を寄せつけず、祓うものになります。

紅に染まったひとひらの落ち葉

どうして「紅葉」という現象が起きるのか、実はまだ良くわかっていないと言われています。地上に落ち、分解され新しい命の養分となる、つまり次の命の場所になるわけですが、より分解されやすくなるとか、分解者になんらかの益があるのだろうと思います。そうした次の命への想いに似たものが、あの鮮やかな粧(よそお)いを見せてくれるのかもしれません。

植物は彼らの身体を通してあらゆる恵みをもたらしてくれます。太陽や月や土や水から受け取ったエネルギー、その多くを使い切らず、かたちを変えて放出してくれています。紅葉を愛でる私達にもその「ちから」は伝わっているはずですが、どうでしょう。植物や小さな命から教えられることは限りなくあると思うのです。

花と食で彩る日本の暦〜二十四節気『清明』_4塚田有一(つかだ ゆういち)

ガーデンプランナー/フラワーアーティスト/グリーンディレクター。 1991年立教大学経営学部卒業後、草月流家元アトリエ/株式会社イデーFLOWERS@IDEEを経て独立。作庭から花活け、オフィスのgreeningなど空間編集を手がける。 旧暦や風土に根ざした植物と人の紐帯をたぐるワークショップなどを展開。 「学校園」「緑蔭幻想詩華集」や「めぐり花」など様々なワークショップを開催している。

文: 塚田有一

写真:みやはらたかお

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秋グルメの最高峰!? トリュフ香る贅沢スープ

カフェプルニエパリのクリームスープ バゲット付
カフェプルニエパリのクリームスープ バゲット付

<カフェ プルニエ パリ>クリームスープ フレッシュトリュフを添えて 3,240 円(税込)

パリ・マドレーヌにあるカフェレストラン<カフェ プルニエ>の日本第一号店が、2018年10月5日(金)に伊勢丹新宿店にオープン! ぜひとも味わいたい季節限定メニューがこのスープ。イタリア産フレッシュ黒トリュフと、フォアグラを贅沢に使った一品です。添えられたエディアールのバゲットに、卵黄を溶かしたスープをたっぷりとしみ込ませれば、さらに美味しさ倍増! スープボウルから立ち上るスライストリュフの香りと、濃厚なフォアグラ、クリームスープが三位一体となって醸し出す、美食体験をぜひ!

※取扱い:伊勢丹新宿店
※販売期間:10月17日(水)~31日(水)

文: 原口りう子

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=プラ ド エピスリーにてお取扱いがございます。またピエール・エルメ・パリの商品の一部は伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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1粒300円超え! 地味だけど唸る美味しさ

ぼうだい本舗の露渋栗
ぼうだい本舗の露渋栗

<ぼうだい本舗>露渋栗(1個入り) 335円(税込)

京都の老舗甘納豆店<ぼうだい本舗>の「露渋栗」は、なんと1粒300円を越える高級和風グラッセ。ちょっとしたケーキほどのお値段ですが食べてみれば納得。口の中に広がる上品な味わいは、熊本県産の和栗本来の甘さ。濃いめのほうじ茶と一緒に食べれば、至福の瞬間が訪れます。素材の味を生かす丁寧な仕事に、食通のあの人も唸るはず。ここぞというときの手土産におすすめです。

※取扱い:伊勢丹新宿店

文: 嘉藤美保子

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=甘の味/名匠銘菓にてお取扱いがございます。 
また、伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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まるでお茶漬け!? だしで食べる和風グラノーラ

久右衛門のだしで食べるグラノーラセット
久右衛門のだしで食べるグラノーラセット

<久右衛門>だしで食べるグラノーラセット(1セット/グラノーラ200g・久右衛門だし×5包)1,685円(税込)

新感覚のグラノーラが<久右衛門>から登場しました。大麦をベースに、大豆、そば、えのき茸、くるみを加え、味噌で焼き上げた国産素材の和風グラノーラ。ここに、だしパック「久右衛門だし」で抽出した相性抜群のだしをかけていただきます。いわし煮干し・かつお節・焼きあご・昆布・椎茸など国産素材だけを贅沢に使用した芳醇なだしと、滋味豊かなグラノーラが混ざり合い、味わいや食感の変化を時間とともに楽しめます。クセになるこの美味しさを、ぜひ一度お試しあれ。

※取扱い:伊勢丹新宿店、伊勢丹オンラインストア
※販売期間:2018年9月19日(水)~10/2(火)

文: 香取里枝

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は2018年9月19日(水)~10/2(火)の間、伊勢丹新宿店本館地下1階=粋の座/久右衛門にてお取扱いがございます。また、<久右衛門>の一部商品は伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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期間限定の甘い幸せ♡ ピエール・エルメの焼きたてヴィノエワズリー

クロワッサン オ ザマンド
クロワッサン オ ザマンド

<ピエール・エルメ・パリ>クロワッサン オ ザマンド (1個/日本製)486円(税込) 

<ピエール・エルメ・パリ>からこの期間、伊勢丹新宿店限定でクロワッサン オ ザマンドがお目見え。クロワッサンの中に、コクのあるくるみと華やかな香りのヘーゼルナッツ風味のアーモンドペーストが入っていて、今まで食べたことのない深みのある味わい! 外はサクサク、中はしっとりした生地の食感も楽しめるところは、さすが“パティスリー界のピカソ”と称される巨匠のヴィノエワズリー。1日2回焼き立てが届けられる、2週間だけのお楽しみです。お見逃しなく!

※取扱い:伊勢丹新宿店
※販売期間:2018年9月19日(水)~ 10月2日(火)、各日平日100点限り、土・日・振替休日各日120点限り
※販売時間:午前10時30分~、午後14時~

文: 松本いく子

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、2018年9月19日(水)〜10月2日(火)までの期間中、伊勢丹新宿店本館地下1階=グラン アルチザン/ピエール・エルメ・パリにてお取扱いがございます。<ピエール・エルメ・パリ>の商品は伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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優雅なお月見にいかが? <ピエール・エルメ・パリ>のオリジナル月餅(ムーンケーキ)

Assortiment de 4 Mooncakes ムーンケーキ 4個詰合せ
Assortiment de 4 Mooncakes ムーンケーキ 4個詰合せ

<ピエール・エルメ・パリ>Assortiment de 4 Mooncakes ムーンケーキ 4個詰合せ (1箱・要冷蔵/日本製)3,888円(税込)

9月24日は、中国の中秋節。1年でもっとも美しい満月がみられる日として、古くから月餅を食べる習慣があるのだとか。その月餅を、パティスリー界の巨匠、ピエール・エルメが作ったら……。昨年発表して人気を博した「ムーンケーキ」が、今年は伊勢丹新宿店に登場します。風味あふれるローズ入りアーモンドビスキュイ、ライチのパート・ド・フリュイ、フランボワーズの3つが見事に調和する「イスパハン」は、優雅なおいしさにうっとりしてしまいます。ほかに、柚子と抹茶が香る「テベール エ ユズ」、ショコラとプラリネを組み合わせた「プラリネ エ ショコラ」、アーモンドとバニラの香り高い「アンフィニマン ヴァニーユ」の全4種類が1箱に。パリや香港では“お月見”に家族や親しい人と食べる、人気のアイテムなのだとか。満月の夜の手土産にしたら自慢できそう。

※取扱い:伊勢丹新宿店
※販売期間:2018年9月1日(土)~ ※予定数なくなり次第、販売終了

文: 松本いく子

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、2018年9月1日(土)〜数量限定で、伊勢丹新宿店本館地下1階=グラン アルチザン/ピエール・エルメ・パリにてお取扱いがございます。<ピエール・エルメ・パリ>の商品は伊勢丹オンラインストアでもお取扱いがございます。

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