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2015.09.22

家族円満の想いを「月餅」に重ね、「中秋節」を日本流に楽しむ

家族円満の想いを「月餅」に重ね、「中秋節」を日本流に楽しむ

「月餅」といえば、横浜の中華街などで1年を通してお目にかかれる中華菓子のひとつ。でも本来は、「中秋節」に欠かせない節句菓子であることをご存知でしょうか。

中国人にとって月餅は、「超」がつくほど愛されている伝統的スイーツ。中国四川省にある成都伊勢丹に6年間勤務経験があり、中国の食文化に詳しい伊勢丹新宿店食品のセールスマネージャー・前田洋太さんに、月餅が中国人に愛される理由についてうかがいました。

大きく豪華な月餅で、相手への想いを表現

月餅を食べる親子

毎年旧暦の十五夜(今年は新暦の9月15)にあたる日が、春節に次ぐ中国の祭日「中秋節」です。中秋節の丸い月が団欒を象徴することから、このお祭は別名「団欒節」とも呼ばれ、家族と一緒に団欒の食事を楽しんだり、月に見立てた月餅を親しい人へ贈ったりする風習があります。中秋節を現地で過ごしてきた前田さんは、その時の様子をこう語ります。

「中国では、中秋節の1ヵ月も前から大々的に月餅コーナーが登場し、道を走るバスなど、街中に月餅の広告が溢れます。月餅専門の有名ブランドが何十種類もあり、その中からこれぞという月餅を、豪華な箱に入れて大切な相手に贈るのです」

現地では日本で見るよりもさらに大きい月餅が主流で、いかに大きく豪華な月餅を贈るかで、どれだけ相手を大切に思っているかを表現しているそうです。特に、親戚や仕事の取引先、お客さまなどに贈ることが多く、日本のお中元やお歳暮に近い贈答品と言えるかもしれません。

甘くないのが主流。最近は月餅風スイーツも登場

日本で見かける月餅は、ゴマあんや白あんなど甘いものがほとんどですが、前田さんのお話では、意外にも現地で贈られる月餅で甘いものは少ないんだそう。

「実際に中国で贈られる月餅は、あんの中に『アヒルの玉子の黄身を塩水漬けにしたもの』や『ハム、肉そぼろ』が入っているものなどが主流です。数種類の月餅を詰め合わせにして贈る場合でも、10個入っていたとしたら、甘い月餅は3~4個ほどですね」

ちなみに、ここ数年で月餅の楽しみ方にも変化が出てきたと前田さんは言います。

「世界的に有名なコーヒーショップや、チョコレートブランドなどが、月餅風のスイーツを次々と発表し話題を集めています。手軽でおしゃれに、おいしく楽しめる月餅は、特に若者たちの間で人気です」

伝統的な月餅から生まれた、新しい月餅スタイル

対して日本では、どんな月餅が人気なんでしょうか? 例えば伊勢丹新宿店の月餅『円果天(えんかてん)』は、手みやげなどに大人気です。

「従来の月餅は甘みが強く、大きすぎて食べきれないというお客さまの声をもとに、日本人に食べやすい月餅を考えました。円果天の月餅は、「白双糖」という純度の高い砂糖を使ったあんを直火釜でじっくりと練り上げ、生地が1㎜も無い極薄の生地で包んでいます。ラードやゴマ油を使わず、すっきりとした後味と、500円玉ほどの小ぶりなサイズで、いろいろな味を楽しむことができます」そう教えてくれたのは、伊勢丹新宿店<円果天>の副店長・松野桃子さん。

ベーシックな『円果天』に次いで人気の『木の実餡』は、数あるラインナップの中でも唯一あんこを使っておらず、ドライフルーツとナッツが合計12種類入り、独特の甘みと食感を楽しむことができます。今流行のグラノーラ感覚で食べられるので、特に女性客に人気が高いそう。

中国の定番を日本人好みの味にした「蛋黄」

<円果天>蛋黄

<円果天>蛋黄 1個 378円(税込)  ※9月9日(金)~15日(木)の限定販売

本場中国では主流の、玉子の黄身が入った月餅が、ここ<円果天>でも購入することができるそうです。

「『蛋黄(タンファン)』は9月9日(金)~9月15日(木)の中秋節の時期のみ数量限定で販売。甘さを控えたあんの中には、3ヵ月前からモンゴル岩塩で塩漬けしたうずらの玉子の黄身が入っていて、しっかりとした塩気とあっさりしたあんのバランスが絶妙です」と、松野さん。

玉子の黄身は中秋節の満月を見立てているもの。今年の中秋の名月には、月見団子の代わりにこの小さくてかわいい月餅をお供えしてみてはいかでしょう。月餅を囲んだ家族団欒で、お月見を楽しんでみてください。

中秋節快楽(中秋節、おめでとう)!

文: 岩永賀子

撮影:蔦野裕、Thinkstock/Getty Images(2枚目)
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

バイヤー・スタイリスト / 松野桃子
伊勢丹新宿中村屋に新入社員で入社してから14年間伊勢丹新宿店に勤務し、「円果天」立ち上げにも携わったベテラン。3歳になる息子さんにも円果天の月餅を食べさせたところ、「げっぺいください」と言うほど大好きに。すでに月餅通だそう。
バイヤー・スタイリスト / 前田洋太
伊勢丹新宿店本館地下1階パン・洋惣菜コーナーのセールスマネージャー。店舗ごとに異なるキッシュの奥深さに触れ、その魅力に開眼。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=甘の味/円果天にてお取り扱いがございます。

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