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2015.10.02

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『リーデル』店長に聞く、クラフトビールをもっと楽しむグラスの選び方

3つのグラスに注がれた種類の異なるビール

ビアグラスについて教えてくれた『リーデル』の竹中店長

ビール愛好家には、「このグラスで飲むビールがいちばん!」というお気に入りのグラスがあるでしょう。ジョッキや小ぶりのコップに瓶ビールなど、人それぞれ。最近は多種多様なクラフトビールが登場しており、それぞれのビールをおいしく楽しむ方法が気になるのは私だけではないはず。そこで、『リーデル』の伊勢丹新宿店マネージャー・竹中信幸さんに、クラフトビールをよりおいしく味わうグラス選びについて聞きました。

ビールグラスに特化したブランド『シュピゲラウ』

ワイングラスのブランドとして高い人気を誇るリーデルは、ブドウ品種に合わせたグラスを次々と生み出してきました。そんなリーデルのグループブランド『シュピゲラウ』がフォーカスしたのは、ワインではなくビール向けのグラス。1500年代からドイツでガラス製品を作り続ける老舗メーカーが、2013年よりクラフトビールに特化したグラスを開発したのです。

「リーデルのワイングラス同様、シュピゲラウも生産者と協力して、ビールの味わいにどの形状のグラスが合うのか、徹底的にテイスティングを重ねました。作り手の舌と嗅覚を駆使し、クラフトビールの個性を最大に引き出すグラスを絞っていったんです」(竹中さん)

しかし本当にグラスの形状によってビールの味が変わるのでしょうか。実際に試飲してみましょう。

ホワイトビールの香りを際立たせるビールグラス

最初に試したビールは「ヒューガルデン・ホワイト」。ホワイトビールと呼ばれ、苦みが少なく、さわやかな味わいで、特に女性に人気のビールです。

グラス「アメリカン・ウィート・ビール」にヒューガルデン・ホワイトを注ぐ

ホワイトビールに、竹中さんがすすめるグラスが「アメリカン・ウィート・ビール」。

その注ぎ方にも注目。まずグラスを45度に傾けて注ぎはじめ、徐々にグラスを元に戻します。ちなみに、ヒューガルデン・ホワイトは瓶の底の沈殿物を最後に注ぐと、香りをより楽しめるのだそうです。

ヒューガルデン・ホワイトの入ったグラスを回して泡立てる

注いだ後、グラスをぐるぐる回して(スワリング)、さらに泡を立たせます。驚く人もいるかもしれませんが、クラフトビールをさらに美味しくするひと手間だそう。

一方で、比較のために、よく使われているグラスにも注ぎます。

一般的なグラスにもヒューガルデン・ホワイトを注ぐ

では、いただきます!

グラスに顔を近づけただけで、オレンジのフルーティな香りが鼻を突き抜けます。一般的なグラスにも注いだものと比べると、その違いは歴然!

飲んでみると、香りの甘さと入れ違うように深い苦みが口と鼻のなかに広がります。ちょっと経験したことのないような深い味わい。濃厚な味わいにすぐにでもハマりそう。

苦みの強いIPAの隠れた魅力を引き出す

次に試したビールは、「インドの青鬼」。インディア・ペールエール(IPA)といわれるタイプで、ホップの風味が強く、苦みがあります。ホワイトビールよりも色の濃い琥珀色なのも特徴的。

今度は、「インドの青鬼」をシュピゲラウの2つのグラスを使って試してみます。「グラスとビールの相性が良くなければ個性は引き出せません。それがわかっていただけるはず」と竹中さん。

異なる2つのシュピゲラウのグラスに、「インドの青鬼」を注ぐ

「インドの青鬼」は苦みが特徴的ですが、写真左のグラス「インディア・ペール・エール」で飲むと、苦みとともに、甘い香りも。実は、IPAは苦みが強く、得意ではなかったのですが、「苦いだけではない!」ことを発見できました。

写真右のグラス「スタウト」は、本来は黒ビール用のグラス。こちらで飲んだインドの青鬼は、香りの芳醇さに欠け、苦みが際立ちました。

黒ビールのコクを引き出す。決め手は「くびれ」

グラス「スタウト」に「東京ブラック」を注ぐ「でも、スタウトに黒ビールを注げば、焦げたモルトの香りが引き出されて、黒ビール好きの方には最高の組み合わせになるんです」

「スタウト」に注いだのは黒ビール「東京ブラック」。くびれのところで、対流が起こり、他のグラスに注いだ時よりも、泡の「立ち」と「きめ細かさ」が違います。

飲んでみると、コクが強く、黒ビール特有の苦みはもちろんあるのですが、それ以上に豊かな「香ばしさ」が感じられました。まさに納得の組み合わせ。

黒ビールは、高温で麦芽を焙煎・乾燥させるため、他の種類よりも色が濃くなるのが特徴。特有の香ばしさは製法からくるもので、スタウトは「黒ビールらしさ」を楽しめる一品です!

うま味を引き立て、キープする秘訣は「薄さ」にある!

「グラスの下の部分が細くなっていたり、うねりのある形状になったりしているのも、泡立ちを促し、ビールの個性を最大限に生かすよう計算されたものです。しかも、どれも薄いグラスなのですが、そこにも秘密があります。先ほど注いだビールを飲んでみてください」

飲んでみると、しばらく時間が経ったにもかかわらず冷たいまま! 一般的なグラスに注いだビールはすでにぬるくなっていました。理由は、「グラスが厚いとグラス自体に冷気が奪われてしまうから」だとか。薄いほうが外気でぬるくなりやすいと思いきや逆の結果に。またまた驚かされました。

クラフトビールに合わせて、グラスを変えてみれば、いままでは気づけなかったおいしさを発見できそう。グラス選びはもちろん、ビール選びもより楽しくなりますね!

各クラフトビールを相性の良いグラスに注ぎ、並べた

グラス:(写真左から)アメリカン・ウィート・ビール(ペア)3,780円(税込)、インディア・ペール・エール(ペア)3,780円(税込)、スタウト(ペア)3,780円(税込)/ビール:(写真左から)ホワイトビール「ヒューガルデン・ホワイト」、IPA「インドの青鬼」、黒ビール「東京ブラック」

文: 北條尚子

写真:平瀬夏彦

バイヤー・スタイリスト / 竹中信幸
伊勢丹新宿店本館5階 キッチンダイニングデコ-ル リーデル担当マネージャー JSA認定ワインエキスパート。リーデル グラス・アドバイザー。毎日店内にしつらえたバーカウンターでワインセミナー(有料)を行っています。ビールに関する質問もぜひお聞きください。

商品の取扱いについて

記事でご紹介している商品(グラス)は、伊勢丹新宿店本館5階=キッチンダイニングデコール/ワイン用品・コーヒー用品でお取扱いがございます。
伊勢丹オンラインストアでは、<リーデル>の一部商品をお取扱いいたしております。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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