木屋の鎌型包丁

料理をするうえで欠かせない「包丁」。お店で見かける包丁は種類も値段もさまざまで、迷ってしまう人も少なくないはず。

「包丁の切り心地は『切れ味』と言いますよね。その言葉通り、いい包丁で切った食材は繊維が壊れないので食感がいい。結果、料理の味がよくなるのです。しっかり手入れをすれば何年も使い続けられるのも魅力ですね」

そう教えてくれたのは、1792年創業の老舗刃物店<木屋>伊勢丹新宿店の小峰裕太さん。それなら思い切って本格的に包丁デビューしたくなりますよね。小峰さんがおすすめする「最初の1丁」は、どのご家庭にもある一般的な鎌型包丁(三徳包丁、万能型)だそう。小峰さんに包丁選びの基本を教えてもらいました。

包丁は「材質」で選ぼう!

「包丁にはステンレスや鋼、複合鋼材などさまざまな材質があります。切れ味や使用頻度、手入れのしやすさなど、自分に合った1丁を選びましょう」

① 初心者にはバランスの取れた「ステンレス」がおすすめ

まずはポピュラーなステンレス。

「サビが出にくく、お手入れしやすいのがステンレスの特徴。耐久性、使いやすさもよく、最もバランスのいい包丁といえます。しかし、まったくサビないというわけではなく、お使い後は包丁全体の汚れをよく洗い落とし、乾いた布で水分を拭き取り保管してください。また、ハンドルの構造に気をつけて選ぶのもポイント。例えばこの『エーデルワイス No.160鎌型包丁』は刃とハンドルの間にツバがついており、水が溜まりにくく、汚れにくいのも特徴です」

②料理大好きな人はプロ御用達の「鋼」で凄い切れ味を!

割烹料理人や寿司職人といったプロが愛用するのが「鋼」の包丁。

「鋼にはほかの材質にはないスパッという鋭さがあります。サビが出やすく頻繁なお手入れが必要ですが、砥石と相性がいいので比較的簡単に研いで鋭さを保てます。例えば『木屋No.6鎌型包丁』は熟練した鍛冶職人が1丁ずつ鍛えて作っている人気商品。皮の厚い野菜も気持ちいいくらいよく切れますよ」

毎日料理を楽しみたいという料理好きに特におすすめです。

③ ちょっと高いけど、鋼とステンレスのいいとこ取りな「複合鋼材」

木屋のコスミック團十郎 ツバ付 鎌型包丁

<木屋>コスミック團十郎 ツバ付 鎌型包丁 34,560円(税込)

「複合鋼材」とは、鋼をステンレス鋼で挟み込んだ、割込み構造。ステンレスのお手入れのしやすさと鋼の鋭い切れ味、さらに刃こぼれしにくく研ぎやすいという、いいとこ取りのハイブリッドな包丁です。

木屋のオリジナル粉末鋼「コスミック鋼」を使用し作られた複合鋼材の包丁が『コスミック團十郎 ツバ付シリーズ』です。明治時代の歌舞伎役者・市川團十郎と木屋の経営者の仲が良かったことから名前をもらったという自信作。ほかの素材に比べてやや高価ですが、それだけの価値はあります」

④ 料理頻度が少ない人は劣化ゼロの「セラミック」

京セラのセラミックナイフ

<京セラ>セラミックナイフ 7,020円(税込)

次はなんと金属ではなく陶器であるセラミックを使った包丁。実はセラミックはほかのどの素材よりも硬く、まったくサビが出ないという魔法のような材質です。

「ほかの包丁に比べて安価なところがいいですね。材質が硬いため切れ味が落ちにくく、酸に強いのでフルーツのカットには最適。漂白剤も使えるのでとても衛生的です。しかし、素材が硬くて粘りがないため、落としたり、カボチャなどの硬い食材を切ると、負荷がかかりすぎてパキッと割れてしまう恐れも。また家庭では研げないので、メーカーに依頼する必要があります」

料理をする頻度が少ない人、あまり硬い素材を切らないという人には、本格包丁の切れ味を体験できる1丁としておすすめです。

金額の差は切れ味の差ではない!

木屋のDAMAST KIYA鎌型包丁

<木屋>DAMAST KIYA 鎌型包丁 118,800円(税込)

同じ本格的な包丁のなかでも、1万円程度から10万円以上まで幅広い商品があります。高ければ高いほど、切れ味もよくなるのでしょうか?

「1万円以上するような本格的な包丁であれば、実は切れ味にそれほどの差はありません。価格の理由は『使用年月』と『こだわり』。高額な包丁の方が手入れをすることで長く愛用できますし、デザインや柄などの付加価値が加わることが多いですね」

ちなみに<木屋>で最も高額な包丁は、なんと11万円オーバー! その理由は刃に走る美しい模様にあるそうです。

「この包丁は『ダマスカス模様』という神秘的な縞模様が見事ですよね。異種の鋼材を折り返し重ねて鍛える職人の技術と特殊な工程が必要なため、どうしても高価になるのです。このランクになるとナイフを愛でるような趣味の世界になりますね」

必ず「握り心地」を確かめよう

毎日手にする包丁は「使い心地」も気になりますよね。

「グリップの材質は、木、樹脂、ステンレス、の3種類。最も耐水性があり、変質が少ないのは樹脂で、最近は樹脂の持ち手を採用している包丁が増えていますね。なお『鋼』の包丁は伝統的に木を採用していることが多いです。どれも使用者の好みですが、購入前には一度持ってフィット感を確かめてください」

いずれも毎日の料理をアップグレードしてくれること間違いなしの本格派包丁。実際に見て、触って、お気に入りの1丁を見つけてください。

文: 末吉陽子

写真:山田和幸
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

  • スタイリスト/小峰裕太

    伊勢丹新宿店本館5階 木屋刃物コーナーに勤務。「株式会社木屋」入社14年の刃物のエキスパート。包丁コーナーで包丁研ぎのサービス(有料)も担当する。好きな包丁は「鋼の包丁」で、「お客さまのいい包丁を研ぐ瞬間が心地いいです!」と話します。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館5階=キッチンダイニングにてお取扱いがございます。 

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