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2016.12.11

ランクと味は別! シェフが教える美味しい牛肉の選び方

牛肉のイメージ

ステーキに焼き肉、すき焼き、しゃぶしゃぶ! ごちそうの主役といえば「牛肉」ですよね。WEB FOODIEで数々の肉料理レシピを紹介してきた肉のプロ<I’S MEAT SELECTION>の岩田晴美シェフに、普段肉を購入する際に役立つ「美味しい牛肉の選び方」を教えてもらいました。実は、一般的な人の牛肉選びは、間違いだらけなのだそうです!

 

ランクではなく、肉の色に注目しよう

鮮やかなツツジ色をした理想的な牛肉

鮮やかなツツジ色をした理想的な牛肉の例

牛肉には「A5」「A4」などのランク表示がありますが、これは肉の味とは無関係だそうです!

「ランクは1頭から取れる肉の量(アルファベット)と脂身のバランス(数字)を示すもので、美味しさの基準ではありません。もっと感覚的に『美しい色』で選ぶのが正解。美味しい牛肉は鮮やかな『ツツジ色』をしています」

牛肉はカットして空気に触れると一度真っ赤になり、徐々に黒くなります。カットされた牛肉を選ぶときは、できるだけ鮮やかな色を選びましょう。

寝かせてはダメ! 牛肉だって鮮度が命

岩田晴美シェフ

「牛肉は寝かせる方がいい」なんて声も聞きますが、それもある意味では間違いです。

「牛肉は熟成期間を経て味が変化しますが、それはプロの技があってのことです。専門店ではもっとも美味しい『食べごろ』を見極めて店頭に並べています。購入後はできるだけ早く召し上がってください」

 

目的や料理に合わせて、部位をピンポイントで選ぼう!

お店で牛肉を選ぶ際、バラやロース、モモといったざっくりした分類で選んでいませんか? 牛の肉は一つひとつの部位がとても大きいので、同じ部位でも赤身から霜降りまでさまざまに細分化されるそうです。

「食肉文化の浅い日本ではまだ『バラ』『ロース』などで選びますが、フランス料理などではもっとピンポイントで部位を選びます。ちょっとした場所の違いによって料理の美味しさが変わるのです」

せっかく牛肉を探すなら「質」と「部位」にこだわってみてはいかがでしょう? おすすめの食べ方に合わせた、代表的な「部位」を紹介します。

【ロース】

牛ロースの各部位の場所の説明

「肩ロース」 肉のやわらかさを堪能するしゃぶしゃぶに!

肩ロース

ロースのなかでも大きな「肩ロース」は、程よい脂身が特徴的。おすすめは薄くスライスしてしゃぶしゃぶに。お肉のやわらかさが存分に楽しめます。

 

「リブロース」 とろける脂を楽しむすき焼きに

リブロース

肩ロースよりも脂身が多い「リブロース」は、断面の細かな霜降りが目を引きます。ベストはすき焼き。たっぷり入った脂が溶けてさっぱりいただけます。

 

「サーロイン」 肉のうまみを味わうステーキならコレ!

サーロイン

「サー」の称号を持つ最上級のロースが「サーロイン」。リブロースのすぐ隣の部位です。上質な脂と肉のうまみを堪能できる部位なので、王道のステーキがベスト。特別なシーンに豪快にかじりついてください。

 

【バラ】

牛バラの各部位の場所の説明

 

「ブリスケット」 とろけるシチューを作るなら

ブリスケット

前脚の近くにあり、人間でいうと胸あたりにある部位「ブリスケット」。「ブリスケ」と省略したり、「前バラ」「肩バラ」と呼ばれたりもする部位です。肉質がきめ細かく、脂と赤みのバランスに優れているのが特徴。シチューにすると脂身が溶けて最高の舌触りを楽しめます。

 

「三角バラ」 特上カルビの焼き肉が◎

三角バラ

バラ肉のなかでも第1〜6の肋骨部分を三角にカットしたひと口サイズのバラ肉。脂が豊富で、まさに「牛の大トロ」といえる部位です。ステーキだと重たく感じる人も多いので、ひと口の量が少ない焼き肉でいただきましょう。

 

「カイノミ」 赤身を楽しむステーキで!

カイノミ

脂身が多いイメージのあるバラ肉ですが、ヒレに近い位置にある「カイノミ」は赤身タイプで、やわらかな肉質が堪能できます。ステーキや焼き肉にぴったりで、サーロインとはひと味違う、上品なうまみを楽しめます。

 

【モモ】

牛モモの各部位の場所の説明

 

「ランプ」 ステーキかローストビーフに!

ランプ

ヘルシー志向を受けて人気が高まっているモモ。赤身のイメージがありますが、「ランプ」はしっかりとサシが入っています。同じランプでも、細い方は「ラン細」ともいいます。「ラン細」は形を活かしてローストビーフに、「ランプ」はステーキにすると、肉本来のやわらかさが引き立ちます。

 

「イチボ」 牛肉の脂身を存分に楽しむなら

イチボ

ランプの近くにある「イチボ」。美しい霜降りと濃厚な赤身のうまみを兼ね備えた通好みの部位です。濃厚な味わいが魅力ですが、分厚いまま食べるとしつこく感じることも。焼き肉にしてひと口ずつ味わってください。

 

文: 大久保敬太

写真:山田和幸、Thinkstock GettyImages(4〜6枚目)
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

バイヤー・スタイリスト / 岩田晴美
アラブ首長国連邦 日本大使公邸付料理長をはじめ、六本木 イル・ド・フランスなど名だたる名店のシェフを歴任。その後、「お客さまが目で見て、確かな情報でいい食材を選んでいただけるようにアテンドしたい」という想いから、世界中から優れた食材が集まる伊勢丹 新宿店内「I’S MEAT SELECTION」専属シェフに。料理人ならではの目線で、世界の料理に最適な肉をプレゼンテーションし続けている。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケット/I’S MEAT SELECTIONにてお取扱いがございます。

確かな目で選び抜かれた厳選素材を食卓へ。伊勢丹オンラインストアでは「I’S MEAT SELECTION」の一部の商品をお取扱いいたしております。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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