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2015.06.04

実山椒の塩水漬けレシピ。薬味やハーブ感覚で自由自在に使える!

「実山椒」の画像

山椒といえば、鰻などにパラパラっとかける粉末の調味料がすぐに思い浮かびますが、その未成熟の青い実「実山椒」が今まさに旬。華やかな香り、若々しい辛みは、期間限定のごちそうです! 

お店で見かけても、「どうやって食べたらいいかわからない!」という方は必見。シンプルにおいしくいただく方法を、フードコーディネーターで国際中医薬膳師のタカハシユキさんに伝授してもらいました。

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山椒は花・葉・実の3つが楽しめる食材

山椒の葉っぱの画像

「4月に入ったころ、山椒の黄色い小花を見かけると、“今年も山椒の季節がきたな〜!とわくわくします。花からはじまって、葉っぱ、実山椒と3通りで味わえるのが楽しいですね」。

4〜5月に出回る黄色い小花は料理の飾りに使われ、やさしい香りと辛みがあるそう。その後5〜6月にかけて店頭に顔を出すのが葉と実。

「山椒の葉は木の芽とも呼ばれて、竹の子はセットで旬が訪れます。竹の子の煮物の天盛りに欠かせませんね。刻んで木の芽和えにしたり、ソースにしたり、いろいろな料理に使えます。パック売りのものより香りがしっかりしている『鉢』で買うのがおすすめです。1,000円前後で購入できるので、旬の出はじめに買っておけばたっぷり楽しめますよ」。

実の旬は一瞬! 見かけたときが買いどき

「葉と同じ頃から実も店頭に並びますが、旬はほんの一時。見かけたら迷わず買って、なるべく早く下処理をしましょう」

パックから出した実を触るとさわやかな香りがふわーっと広がり、早く食べたい気持ちでいっぱいに。

「この香り、食欲そそりますよね。実は山椒は漢方薬としても利用されている食材なんです」

山椒は漢方薬としてもよく使われる食材

「薬膳の考え方では、生の山椒は食欲を促すとされています。他にも、体を温めたり、冷えからくるお腹の痛みを防いだりすると考えられています。乾燥の山椒は、いろいろな漢方薬によく配合されているんですよ」

鰻に山椒がつきものなのは、脂っこい鰻が胃にもたれないよう、山椒をかけることで消化を促そうという先人の知恵なのでしょう。

フレッシュさがおいしい「塩水漬け」

「実山椒は塩漬けにすると1年ほど日持ちしますが、せっかくなら旬の時期ならではのおいしさを味わってほしいですね。薬膳でも、旬のものを旬の時期に食べることがカラダに合っていると考えられています」。

塩漬けにすると保存がきく一方で、塩抜きのひと手間が増えてしまうのがちょっと面倒。そこで今回は、塩抜きいらずでフレッシュなおいしさが味わえる「塩水漬け」を教えてもらいました。

<実山椒の下処理>

実山椒の実を茹でている画像

 鍋に水2カップ+塩小さじ2を沸かし、洗った実山椒(1パック)を枝付きのまま入れ、実が指で押してつぶせるやわらかさになるまでゆでる(今回は3分ほど)。

実山椒を身に浸してアクを抜いている様子

 ざるにあげ、1時間ほど水に浸してアクを抜く(途中水を替え、食べてみてアクが抜けるまで)。

 小枝から実を外す(実から出ている小さい軸5mmほどは残してもいい)。

<実山椒の塩水漬け>

清潔なビンに入れて保存した実山椒の塩水漬けの画像

水1カップに対して塩小さじ1を入れた塩水に下処理をした山椒実を浸し、清潔なビンなどに入れて保存する。※冷蔵庫で1週間ほど保存できる

水気を拭き、ビンごと冷凍しても便利!

ビンに入れて冷凍した実山椒の塩水漬の画像

もう少し日持ちさせたいという人は、ビンに入れて冷凍する方法も。塩ゆでとアク抜きをした後によく水気を拭き、清潔なビンに入れて冷凍するだけです!

「冷凍保存袋で冷凍すると、使うのを忘れて冷凍庫の匂いがついてしまいがちなので、私はビンごと冷凍します。すぐに解凍されるので、必要な分だけ取り出してそのまま使えばOKです」

薬味やハーブ感覚で、どんどん使おう!

下処理をした山椒の実は、煮物などの和食以外にも、幅広い料理に使えるのだそう。

「刻んでドレッシングに入れるのが手軽でおすすめです。お刺身に散らせば、風味豊かなカルパッチョになりますし、和風パスタのアクセントにしてもいいですね。そんなに難しく考えず、薬味やハーブと同じように使ってみてください」

もうひとつおすすめのレシピが、「山椒香味オイル」。くせのないオイルに実を漬けてしばらくおくだけで完成です。時間が経つほどに香りがオイルに移り、ドレッシングに、サラダにと重宝します。

実山椒の若々しい香り、ピリっとした辛さは、カラダをシャキっと夏モードに切りかえてくれるよう。今の時期しか味わえない貴重な味覚。見つけたら食べないと損ですよ!

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フードコーディネーターのタカハシユキさんの画像

取材協力:タカハシユキさん

フードコーディネーター。書籍、雑誌などのメディア、企業広告・商品開発などに携わる。旬の食材の細やかなおいしさを活かしたシンプルな調理、季節の体がよろこぶメニューに定評がある。

 

文: FOODIE編集部

商品の取扱いについて

記事でご紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケットにて、5月末~6月上旬まで販売予定です。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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