関東銘菓

「にっぽん、いとお菓子。」は、全国の銘菓を年間1,500種類以上食べ尽くしている三越伊勢丹和菓子担当バイヤー・田中美穂さんが、特に食べてほしい! というアイテムを47都道府県ごとにセレクト。北から順に日本銘菓の味わい深さを紹介する連載企画です。

今回は、前回の関東前編(茨城、群馬、埼玉、栃木)に続き、関東後編として、東京、千葉、神奈川の銘菓を取り上げます。

長年愛される秘訣はパッケージにあり!? 関東銘菓5選

大心堂雷おこしの風神雷神、赤坂青野の赤坂もち、塩瀬総本家の志ほせ饅頭、なごみの米屋のぴーなっつ最中、鎌倉紅谷のクルミッ子のパッケージ

①  【東京都】<大心堂雷おこし>風神雷神(1箱) 918円(税込)
②  【東京都】<赤坂青野>赤坂もち(5個入り) 1,080円(税込)
③  【東京都】<塩瀬総本家>志ほせ饅頭(9個入り) 1,188円(税込)
④  【千葉県】<なごみの米屋>ぴーなっつ最中(1個) 108円(税込)
⑤  【神奈川県】<鎌倉紅谷>クルミッ子(1個) 141円(税込)

「東京を中心とした神奈川、千葉の3地域は、全国から人気のお菓子が集まる場所。百貨店やアンテナショップなどで、全国の美味しいアイテムが手軽に入手できますから、和菓子の激戦区なんです。そんなこともあり、味だけでなくパッケージにも人々の心に残る工夫がされているお菓子が多いんですよ」(田中さん)

【東京都】おこしのイメージを変える上品な美味しさ「風神雷神」

大心堂雷おこしの風神雷神

田中さん「東京・浅草名物といえば雷おこし。明治時代から続くおこし専門店<大心堂雷おこし>の風神雷神は、食べる前にまず箱に注目してください! 越前和紙で作られた貼り箱で、お札の透かしの技術を使い、風神雷神が描かれているんだそうです」

大心堂雷おこしの風神雷神の箱

──おこしというと、手軽に食べるスナックというイメージでしたが、こちらは格式高い感じがしますね。贈り物としても喜ばれそう。

田中さん「東京におこし屋さんは多数ありますが、<大心堂雷おこし>のおこしは、とにかく味わいのバランスが絶妙。とっても上品なんです。サクッとした食感、甘さを引き立てる塩気、計算しつくされていて、感動しますよ!」

──ではひと口。柿の種や落花生が入っていますね。口当たりは思いのほかサラッとしていて、ベタッと歯に張り付く感じがあまりしません。甘さも控えめ、ほのかに胡麻の風味がします。確かにお馴染みのおこしなんですが、洗練されていて箱の気品高いイメージにもぴったり合いますね。

※<大心堂雷おこし>の風神雷神は、落花生を水飴と砂糖で固めた落花棒と雷おこしのセットで販売しています。

【東京都】風呂敷包みスタイルはこの店から始まった!「赤坂もち」

赤坂青野の赤坂もち

田中さん「東京で100年以上続く老舗の<赤坂青野>の赤坂もち。きなこをまぶした餅菓子は全国にありますが、この風呂敷包みのスタイルは赤坂青野の三代目が考案したそうです」

──今では色んなお菓子で見られる包み方ですが、赤坂青野が発祥だったんですか。ひとつずつ包まれていると、手土産にしても喜ばれますね。

田中さん「風呂敷包みを開けると、容器の中にきな粉がたっぷり入っています。口に入れると、まずお餅の触感に驚きますよ!」

──トロトロでやわらかい! お餅の中にはくるみが入ってる!

田中さん「くるみと黒糖が餅に練りこまれていて、やさしい甘さに仕上がっています。とても口当たりがいいので、ファンも多いんですよ」

【東京都】日本の饅頭の元祖「志ほせ饅頭」

塩瀬総本家の志ほせ饅頭

田中さん「実は志ほせ饅頭は、日本の饅頭の元祖なんです! 今から660年ほど前、塩瀬総本家の始祖・林淨因が、奈良で販売したのが始まり。足利義政、織田信長、豊臣秀吉など名だたる戦国武将に愛され、徳川家康が江戸に幕府を開く際に、東京に拠点を移したそうです」

──皮はふわっとやわらかくて、餡の口どけもいい。歴史を変えた偉人たちが口にした味かと思うと、ロマンがありますね……。

田中さん「皮には、大和芋が入っているので、もちっとしていますよね。歴史あるお店ですが、最近では人気キャラクターとコラボした饅頭を作ることも。超老舗でありながら、現代的なエッセンスを取り入れる柔軟さは、長年愛される理由のひとつといえそうですね」

【千葉県】ゆるかわいいビジュアルに胸キュン「ぴーなっつ最中」

なごみの米屋のぴーなっつ最中

──これは千葉のお菓子の定番ですね。千葉を訪れた際に見かけたのですが、パッケージがかわいらしくて、印象に残っていました。

田中さん「和菓子ってちょっと古いんじゃない? というイメージも一新してくれますよね。ピーナッツのキャラクターが幸せのクローバーを握ったレアなパターンもあるそうですよ!」

──そんな遊び心のある工夫がされているんですね。最中の皮は、薄くってしっとり。ピーナッツの甘煮と餡が合わさってすっきりとした味わいです。

田中さん「実は、この『ぴーなっつ最中』を作る<なごみの米屋>は、今では和菓子の定番となった栗羊羹を作ったとされる明治創業の老舗。伝統ある和菓子屋のハイクオリティな味わいが楽しめるんです」

【神奈川県】リスのマークが目印。自家製キャラメルがコク深い「クルミッ子」

鎌倉紅谷のクルミッ子

田中さん「可愛いリスのマークが目印のクルミッ子は、鎌倉の銘菓。このリスのマークが評判で、最近ではレターセットの販売が始まったのだとか」

──ファンには堪らないですね! クルミッ子への愛がさらに深まりそうです。

田中さん「<鎌倉紅谷>で作られるお菓子は、すべて手作業。時間をかけて練られた自家製キャラメルの深いコクと香ばしいくるみが絶妙に合います。ひと口目は、小さくひとかけ食べてみてください」

──くるみをたっぷり使ったキャラメルとバター生地が絶妙にマッチして、食感はサクサクとしています。3cmほどの大きさで、小さいかも? と感じましたが、キャラメルが濃厚だから十分食べごたえがありますね。クルミ好きにはたまらないお菓子です!

全国から和菓子が集まる激戦区、東京・千葉・神奈川の3地域。味わいはもちろんのこと、食べた人の印象に残るユニークな工夫も、長年愛される秘訣なのかもしれません。

「にっぽん、いとお菓子。」で過去に紹介した地域はこちら。
第1回 北海道編 北の大地が、ユニークな和菓子を生み出す
第2回 東北編   地元の食材をまっすぐ伝える東北銘菓
第3回 関東前編 地元の食材をひとひねりした銘菓が勢揃い。

文: 西島恵

写真:八田政玄
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

  • スタイリスト/田中美穂

    三越伊勢丹の和菓子担当バイヤー。全国の和菓子を年間約1,500種類以上食べている。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、日本橋三越本店本館地下1階=菓遊庵にてお取扱いがございます。独自の味覚と感性で厳選した全国の銘菓をお届けするお菓子のセレクトショップ、三越オンラインストア「菓遊庵」はこちら。

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