Foodie(フーディー)は、三越伊勢丹グループが運営する食のメディアです。

2016.09.27

出汁パワーに感嘆! 秘境で育む「干し椎茸」。三越伊勢丹<THE FOOD>試食会

肉厚上冬菇

食を知り尽くした三越伊勢丹グループのバイヤーたちが全国各地で発掘した「本当に使い続けたい」食品を提案する新ブランド<ISETAN MITSUKOSHI THE FOOD>が誕生しました。それを記念して、料理研究家や有名ブロガーなど美食家の皆さまに集まっていただき、三越伊勢丹自信の一品を楽しむ美食の会を開催しました。

今回はその2回目。1回目の様子はこちらの記事で紹介しています。

不揃いだから美味しい、本物の梅干し「龍神梅」。三越伊勢丹の<THE FOOD>試食会

THE FOOD 美食の会メンバー

<THE FOOD 美食の会メンバー>

(写真左から)松前博恵さん(ジェネリーノ代表)/izuminさん(ブロガー)/木村伸子さん(料理研究家)/瀬川あずささん(食レコ代表、ワイン研究家)/道明寺さくらさん(美食コンシェルジュ)

※詳細プロフィールは記事末尾に記載

本日の品:椎葉村の冬菇(どんこ)

日本の食を伝える「THE FOOD」。ラインナップに欠かせないアイテムとして採用されたのが、日本人の食の知恵がつまった乾物・干し椎茸です。バイヤーたちが全国15ヵ所の干し椎茸を食べ比べ、宮崎県椎葉村産の干し椎茸にたどり着きました。日本三大秘境に数えられる山奥で、原木の山を育てるところから椎茸の栽培、乾燥まで村内で一貫して行う干し椎茸は、凝縮されたうまみが際立つ、まさに知る人ぞ知る一品です。

今回試食する冬菇(どんこ)と姫冬菇(ひめどんこ)は、乾燥後にクヌギやナラを薪としてくべることで品質を高い状態で維持できる「薪仕上げ」を施したもの。美しい自然環境と職人さんの技術の結晶、まずは豊かな風味を味わってみましょう。

お出汁「だけ」なのに、ハッとする美味しさ

椎葉村のどんこの出汁

まずはどんこで引いたお出汁「だけ」を、ひと口飲んでみました。

木村先生:お出汁は難しいと思われる方が多いようですが、水に浸けて冷蔵庫で一晩置いただけ。簡単に引けるんですよ。

どんこの出汁を試飲中の様子

izuminさん:やさしい香りがしますね、もうこれだけで美味しそう。

道明寺さん:干し椎茸なのにフレッシュ! これが椎葉村の香りなんですね。

瀬川さん:口当たりはすごく爽やかなのに、後味もしっかり残って……これは美味しいです。

izuminさん:出汁って、調味料なんですね。これだけでちゃんとうまみがあるから余計な味付けはいらないんだって、わかる気がします。

 

味付けなしの冬菇から、うまみが一気に広がる!

水で戻した後のどんこ

続いて、戻し終わったどんこも食べてみることに。これも煮た「だけ」です。

木村先生:味付けはなしですよ(笑)

どんこの出汁を試飲中の様子

瀬川さん:……えっ? 味がないと予想していたのですが、すごく味わい深いです。

道明寺さん:素材のうまみというか、甘みかな? それがぎゅーって凝縮されているみたい。

木村先生:どんこなら下処理や味付けをしなくてもいいんです。お吸い物の具として使ってもいいかもしれませんね。

ここで、話は「干し椎茸」の使い方へ。

木村先生:どんこの弱点は、戻すまでに時間がかかること。特に忙しい人のなかには、家に帰ってすぐ使えないことに抵抗感がある方もいらっしゃるのでは、と思うんです。

松前さん:私は息子が椎茸大好きで、味噌汁に入れたり、出汁を取ったあとはホイルで焼いたりしていますよ。比較的使っている方だとは思いますが……それでも「普段」っていうほどではないですね。

瀬川さん:うちの母がよく椎茸の中にお肉やお豆腐を詰めた料理を出してくれていたのを覚えているのですが、自分ではなかなか。

izuminさん:「今日はお出汁の料理を作ろう!」って目的があって初めて使うことが多いので、日常的に使うための方法も教えてもらいたいです。

木村先生:私が料理教室の生徒さんによく話しているのは、お出汁を引くなら、目的の倍の量を作りましょうということ。冷蔵庫で3、4日は日持ちするので、日々の料理に使いやすくなるんです。それから今日は、干し椎茸を水で戻さずにそのまま使った簡単なお料理も用意しました。

入れる「だけ」の簡単レシピ

 

どんこを使った炊き込みご飯、ぬか漬け

「炊き込みご飯」炊飯器に米2合、流水で10秒ほど洗い、粗みじん切りにした干し椎茸5個分、酒・醤油各大さじ2、ごま油大さじ1、せん切りにした生姜を入れ、米2合の水加減で炊く。「ぬか漬け」ぬか床に干し椎茸を戻さずに入れ、2〜3日漬ける。

椎葉村の干し椎茸をそのまま使った炊き込みご飯。豊かな香りがふわりと広がります。

炊飯器に刻んだどんこを入れるところ

木村先生:この炊き込みご飯、椎茸を戻さずそのまま入れて炊いているんです。具材はそれだけ、さあ召し上がれ。

一同:美味しい!

izuminさん:本当に椎茸だけですか? 何か、もっと別の素材が入っているみたいです……。

瀬川さん:肉が入っているようなコクがありますよね。炊き込みご飯って野菜やキノコだけだと物足りなく感じることが多いのですが、椎茸だけでこんなに美味しいなんて。

松前さん:シンプルなのにとっても贅沢。香りも豊かだし、私は松茸ご飯みたいだと思いました。

どんこのぬか漬けをぬかから取り出すところ

木村先生:こちらのぬか漬けも、乾燥椎茸をそのままぬか床に入れた簡単メニューです。

道明寺さん:ん? 面白い! 歯ごたえがキノコじゃないみたい!

izuminさん:うんうん、なんだろう……私はアワビみたいだなって思いました。

道明寺さん:漬物なんだけど、ツルッとしていてアワビのような食感。これはいい珍味ですね〜。

松前さん:今日はお酒は……そういう会じゃないんですよね(笑)

木村先生:ふふふ、実はすごくおいしいお酒のレシピもあるんです。皆さん、ゆっくり楽しんでいってくださいね。


<美食会メンバープロフィール>

木村伸子

木村伸子
1987年より「一人でととのえるおもてなし料理」をコンセプトに自宅にて木村伸子料理教室を開講。 2008年4月にINO CINQクッキングスタジオを開設。料理教室のほかに講演、テレビドラマの料理指導、イベント企画、MCなど「食」にまつわるさまざまな活動を行っている。2012年から伊勢丹新宿店のキッチンステージの運営に携わる。

 

道明寺さくら

道明寺さくら
食べ歩き歴25年以上の美食コンシェルジュ&フードアナリスト。特にフレンチ、イタリアンが好み。大人の女性の嗅覚で日々素敵なレストランを発掘し、情報を発信している。茶道専任講師資格(茶名)を持ち、稽古後に伊勢丹を利用。和菓子にも精通し、和菓子コーナーにて手土産や自分用のアイテムをよく購入している。

 

瀬川あずさ

瀬川あずさ
「食」にまつわる感動を食べ歩きブロガーが伝えるポータルサイト「ブロぐるめ!」を運営する株式会社食レコ代表。レコール・デュ・ヴァン新宿校の主幹講師として活躍中。伊勢丹新宿店にはワインスクールのあとに立ち寄り、手土産を探すことが多い。

 

Izumin

izumin
ブロガー歴13年以上。独自の視点で写真を編集し、ビジュアル重視の「魅せるブログ」記事を多く展開。現在はライターとして大手出版社の各媒体への寄稿も多数。日本各地、世界各国を巡って美味しいものを探し、発信している。伊勢丹立川店で製菓用の素材を買い求めることが多い。

 

松前博恵

松前博恵
1,000名の専門性を持つスペシャリスト主婦が所属する「ジェネリーノ」代表。企業との商品開発など、主婦ならではの視点を生かした活動を続けている。自称調味料オタクで、伊勢丹新宿店では<シェフズセレクション>によく出没している。

 
ISETAN MITSUKOSHI THE FOOD

ISETAN MITSUKOSHI THE FOOD

三越伊勢丹グループによる、新しい食品ブランド。生産者の想い、素材の製法や吟味を大切にした、未来に伝えたいアイテムを取り揃えていきます。

 

文: 大久保敬太

写真:山田和幸
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=シェフズセレクションにてお取扱いがございます。
また、伊勢丹オンラインストアでもお取り扱いいたしております。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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