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2016.07.03

綺麗・上品と褒められる! 大人の美しい食べ方のマナー。ナイフ、フォーク、箸、サラダ、殻付きエビ…

褒められる! 大人の美しい食べ方のマナー

ハレの日のご馳走でなくても、食事は優雅で上品にいただきたいもの。でもマナー講座に通うのは大変だし、堅苦しいルールは苦手…。綺麗で上品に見える食べ方について悩んでいる方は結構多いのではないでしょうか。確かに、きちんとした作法を身につけることは理想的ですが、小さなコツを押えるだけでぐっと優雅に見えるポイントも存在します。

そこでテーブルマナー教室を主宰する、小倉朋子さんにすぐに実践できる美しい食べ方のポイントを、初級(姿勢)、中級(食べにくい食材の食べ方)、上級(美しい食べ進め方)に分けて教えていただきました。

【初級編】姿勢とカトラリー(ナイフ、フォークなど)の向きを意識する

フォーク、ナイフ、グラスが並んだテーブル

まずは基本の姿勢から。背筋をぴんと伸ばし、お腹がテーブルのへりからこぶしひとつ分のところにくるように座りましょう。背中が丸まっていると自然と顔が料理に近づき、犬食いにみえます。

 

姿勢のポイント① 肘は下げておくのが基本

重要なのはここから。カトラリーやお箸を持ったら、脇を軽く締め肘が上がらないように注意します。肘が下がっていると、ゆったりとした美しい印象に。

「意識がすべて料理に向いてしまうと、下を向き肘が上がりやすくなります。顔をあげ、一緒にいる人やまわりをみながら食事をすれば、おのずと肘は下がるはずですよ」

 

姿勢のポイント② 刃は常に、下か自分の方を向ける

箸先やカトラリーの刃は、食事相手や上に向けないように注意します。

「箸先や刃を人に向けるのは失礼にあたります。料理の美味しさや会話に夢中になっているとフォークや箸先に意識が行きわたらなくなってしまいますので、特に注意してくださいね」

【中級編】箸やカトラリーで食べにくいもの(サラダ、有頭えびなど)の食べ方

フォークとナイフを使ってサラダを食べているところ

食べ姿に気を配っていても、フォークで上手く刺せないなど、食べにくい料理を前にこっそり手を使ってしまったという経験はありませんか? 中級編では、エレガントに食べるための小ワザを紹介します。

 

食べにくいときのワザ① フォークで食べにくい葉野菜(サラダ)は「折る」ことで刺しやすく

皿の上に1枚残ったサラダのレタスは、薄くてなかなかフォークを刺すことができず、こっそり手を使って食べてしまいがちです。

「サラダを食べるときも、ナイフを使いましょう。フォークでレタスを押さえておき、ナイフを使って折り重ねていきます。折ることで厚みができフォークが使いやすくなります」

食べにくいときのワザ② 箸で持つには滑りやすい食材(里芋、煮卵など)はひと口サイズに

里芋や煮卵のように滑りやすい食べ物は、なんとか箸で掴むことができても、サイズが大きいと自然と大きな口でかぶりつくような食べ方になってしまいますよね。

「里芋は、器の端へ寄せ、器の内側を壁にしてから切るとスムーズにできます。また、煮卵は一度に割ろうとするのではなく、前半分を先に切り、その後残り半分と、2回に分けると2つに割ることができます」

食べにくいときのワザ③ 殻付きエビもナイフとフォークを使って手を使わずに

パスタやパエリアで出される殻付きの美味しそうなエビは、ナイフとフォークを上手く使えば手を汚さず食べることができます。

「エビの食べ方は手順さえ分かれば、意外と簡単です。また好みによりますが、よく焼けているエビであれば頭からバリバリ食べても大丈夫。栄養たっぷりでとっても美味しいですよ」

 【殻付きエビの食べ方/頭部の外し方】

エビの頭部の殻を外しているところ

① エビの頭を左向きに置く。フォークを頭側にある脚の付け根あたりに刺して固定し、頭部の殻と身の間にナイフを差し込むようにして外す。

② フォークは刺したまま、ナイフでミソや身をこそいで食べる。頭部の殻についたミソもナイフでかきだして食べてもよい。

 

【殻付きエビの食べ方/脚と殻の外し方】

エビの足をナイフとフォークを使って外しているところ

③ フォークで脚を押さえ、付け根部分からナイフで切り落とす。

 

エビの殻をナイフとフォークを使って外しているところ

④ 節と節の境目を切る。

⑤ 身の部分にフォークを刺して固定し、身と殻の間にナイフを差し込み、殻を外す。

 

「同様に尾まで食べ進めていきます。残った殻などは、皿の右奥にまとめて置いておくとスマートですよ」

【上級編】美しい食べ進め方。姿だけでなく器の中までも綺麗に

ケーキに飾り付けをしているところ

最後に上級編で紹介するのは、食べ姿ではなく器の中の美しさを意識する「絶景キープの法則(※)」です。

「シェフが心を込め美しく盛り付けたお料理の姿を尊重し、バランスよく『絶景』を保ちながら食べ進めるのが上級者のマナーです。食べ姿はもちろん、食べている料理そのものも同席者からすれば景色の一部。美しく食べれば、同席者もきっと喜びます」

※絶景キープの法則とは、小倉朋子さんが独自に考案した「食事七則」のひとつです。

 

やりがちなNGな食べ方① ソースは最後に残さない

美味しいソースがたっぷりかかった料理は、ソースを残さず食べましょう。よくソースをパンで拭う方がいますが、正式なマナーとしてはNGなのだそう。

「ひと口大に切った食材にナイフでソースをのせていけば、食材とソースを一緒に食べ終えることができます」

やりがちなNGな食べ方② デザート(スイーツ)にのったフルーツやミントは、最初に食べない

芸術と呼べるほどパティシエのこだわりがつまった洋菓子は、最初のひと口目が肝心。例えば三角形のショートケーキなら、ミントや苺を最初に食べては、せっかく美しく飾られた主役が台無しです。食べ進めて、その部分に到達したタイミングで食べましょう。

食べるときは、尖った方が左側を向くように置き、左から右へと食べ進めます。全体の2/3まできたところで、手前から奥へ進めることで倒すことなく絶景キープした状態でいただけます。

いきなり全部は難しくても、一つひとつ実践していけば優雅な所作が身につきそう。まずは次の食事の姿勢から、意識をしてみませんか?

取材協力/小倉朋子

株式会社トータルフード 代表取締役、食の総合コンサルタント。飲食店のコンサルティング、メニュー、戦略開発のほか、テーブルマナー教室「食輝塾」を主宰。著書はベストセラー「世界一美しい食べ方のマナー」(高橋書店)、「私が最近弱っているのは 毎日「なんとなく」食べているからかもしれない」(文響社)など多数。

文: 大川祥子

イラスト:上坂じゅりこ
写真:ThinkstockGettyImages
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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