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2016.02.18

「出町ふたば」豆大福の美味しさの秘密はどこに!? 東京で買えるスポットも紹介

「出町ふたば」の代表銘菓「名代 豆餅」

世界遺産・下鴨神社のある京都・出町エリア。鴨川のそばのノスタルジックなムードが漂う商店街に、明治32年から続く老舗「出町ふたば」があります。平日にもかかわらず「出町ふたば」の店の前には途切れることのない人の列がずらり。一見なんの変哲もなさそうな和菓子店に、なぜ、こんなにも多くの人が惹きつけられているのでしょう。人気の理由を探りました。

【理由その1】あくまで「おやつ」の親しみやすさ

店内風景

多くの人が買い求めているのが、看板商品の豆大福、「名代 豆餅」。昔から庶民のおやつとして愛され、創業した明治時代には、薪を運ぶ大原女(おはらめ)が、小腹を満たすためよく「名代 豆餅」を食べていたといわれています。大正時代に入ると、周辺の大学の学生さんがおやつに買って帰る光景がよく見られたそうです。

現在、客層は遠方から足を運ぶ人が半数を占めるように。取材に訪れた日には外国人の方も買いに来ていました。

【理由その2】厳選した赤えんどうがアクセント

製造作業

全国から選りすぐりの食材だけを仕入れている「出町ふたば」。なかでも特にこだわっているのは食感の重要なアクセントとなる赤えんどうで、北海道の美瑛や富良野の契約農家から、特別に大きく甘みのある豆を選び抜いて送ってもらっているそう。さらに、そこから「名代 豆餅」に適した豆だけを選りすぐって使っています。

あんは、北海道・十勝産の小豆を、お餅は滋賀羽二重もち米の新米を使用。農業技術の進化によって、お米の質は昔よりもさらに良くなっていると三代目の女将は言います。

【理由その3】2度づきするから、餅がきめ細やか

「素材の良さを生かすために、昔ながらの製法で作り上げています」

そう話してくれたのは三代目女将。あんは、小豆がやわらかくなるまで炊き、舌に残りがちな皮をしっかりと除去して、なめらかなこしあんに仕上げて寝かせます。お餅は、羽二重もち米を蒸してから、2度に分けて機械で丹念につくことで、きめ細やかなモチモチの生地に。全体の味のバランスをとるために、少し塩味も加えるそう。そこに、何度も洗って、蒸し、強めに塩味を効かせた赤えんどうをたっぷり混ぜます。

成形する際は、つきたてのお餅の風味を損なわないよう手早くあんを詰めて丸めていくのがミソ。女将によれば「素材の持つ風味を大切にするために、触り過ぎないことが大事」なのだそう。熟練の職人さんたちが、瞬く間に作り上げていく早業は見事です。

製造作業

【理由その4】餅の風味と豆の歯ごたえが絶妙!

「名代 豆餅」

そうして出来上がった「名代 豆餅」はコロンとしたフォルムに豆の存在感が際立つ、愛らしい見た目です。溶けそうなほどのやわらかさの中に確かな弾力を感じさせる羽二重餅に、舌触りがなめらかなこしあん、大きめの赤えんどうがゴロゴロと。

いただくときは、つぶしてしまわないようそっと手にとって口に運びます。ぐーんとお餅が伸びて、お米が持つ甘い風味がやさしく広がります。そこにきて、大粒の豆のほっくりとした歯ごたえが絶妙。上品な甘みのしっとりとしたあんと、えんどう豆の香ばしさ、塩味がバランスよく広がり、幸せな気持ちになってきます。

こだわりと伝統が磨いた京都が誇る伝統の和菓子は、機会があるのなら何度でも食べたい逸品です。

地元の方のみならず、観光客からも愛されている「出町ふたば」の「名代 豆餅」。実は、月に一度だけ東京でも味わうことができます。毎月第3土曜日に日本橋三越本店で販売され、毎回すぐに完売してしまうほどの人気。数量限定なので、整理券が配布される14時までには列に並んでおくのがおすすめです。
※販売は15時からとなります。

文: 黒田弓子

写真:増田えみ
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、日本橋三越本店本館地下1階=菓遊庵にてお取扱いがございます。 
また、ジェイアール京都伊勢丹地下1階=和菓子/京銘菓、ジェイアール西日本伊勢丹オンラインストアでもご紹介いたしております(店頭受取のご予約のみ)。
※販売日時・販売数には限りがございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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