燻製されたお肉

これまで、燻製作りといえば、キャンプやBBQのイメージがありましたが、ここ数年、自宅でできる燻製作りがブームになっているのをご存知ですか? 簡単なものなら、燻製用のチップと家にある調理器具だけで、わずか10分でできるんだとか。

ベーコンなどが定番ですが、今回は年末のおもてなしやお酒のおつまみにも使える、ちょっと豪華なメニューをご紹介。たとえば「ステーキの燻製」なんてパーティが盛り上がることうけあいです。

『男の手作り燻製』『手作り燻製ハンドブック』などの著者、燻製道士さん監修のもと、燻製作りに挑戦しました。

たったこれだけ!? 燻製に必要な4アイテム

変わり種:醤油・黒こしょう・オリーブオイル

燻製に必要なアイテムは、以下の4点。

  1. フライパン&蓋
    アルミホイル、チップ、金網、食材と底から順に重ねて入れるので、できるだけ広がりのある円錐型で、ある程度厚めのフライパンがベスト。煙が逃げないようにピッタリと閉まる蓋を用意。

  2. 金網
    フライパンの直径より2〜3㎝くらい小さいもの。

  3. アルミホイル
    焦げ付き防止のためにチップの下に敷いたり、金網の上に食材を置く際に使用。

  4. スモークチップ
    「ヒッコリー」「サクラ」「クルミ」などの種類があり、樹木の種類によって香りが異なる。今回はさわやかな香りが特徴で、どんな食材にも合う「ヒッコリー」を使用。

スモークチップ以外は家にあるものたち……こんな、普段のアイテムで本当にできるのかちょっと不安ですが、初めての燻製作り、いざスタート!

初心者は「水分が少ない」食材をセレクト!

初心者用の燻製食材

燻製にむくのは、乾燥してうまみが凝縮される食材。水分が少なく適度に油分を含むお肉や魚、乾燥しているうえ、味が付いているナッツや、ドライフルーツは初心者向きの食材です。反対に、水分の多い野菜や果物などは、初心者には難しい食材だそう。

今回はパーティの定番、パーティの前菜としても使える「ナッツ・レーズン・チーズ」のセットと、豪華な「ステーキ」、変わり種として「調味料」をセレクト。

燻製の基本は、味付け・乾燥・スモークの3ステップ

燻製作りの工程は、食材を味付けして乾燥し、スモークするというたったの3ステップ。これなら料理が苦手な人でも簡単にできそうです。

    1. 味付け
      食材に味をつけるだけでなく、殺菌と保存効果もある。初心者は塩やこしょうをかけるだけで十分

    2. 乾燥
      食材の表面に水分があると煙と水分が反応して、酸味や苦みが出るため、事前に風通しの良い場所で十分に乾燥させる

    3. スモーク
      およそ80度の高温で燻す「熱燻」と、60度くらいの温度を保って1~2時間かける「温燻」、20度くらいの温度で長時間燻す「冷燻」という3つの種類がある

今回は、この中でもっとも手軽にできて、失敗の少ない「熱燻」に挑戦。

【初級編】ワインがすすむ、おつまみ燻製プレート

[味付け:なし/乾燥:0分/スモーク:10分]

カマンベールチーズの燻製

まずは、ナッツにレーズン、カマンベールチーズの燻製に挑戦。これらは、味付け・乾燥の必要がない、初心者向きの食材です。

①フライパンにホイル、チップ、金網を置く

フライパンの上のオイルとチップ

 

チップ

フライパンの底に焦げ付き防止のためのアルミホイルを敷き、その上にチップを置きます。フライパンの形状や密封性などによっても異なりますが、チップは10分の熱燻でおよそ6グラム程度、成人男性の一握りくらいの量が目安。さらに、チップの上に金網を置きます。

 

②金網の上に食材をセット

金網の上の食材

金網の上に直接置けないナッツやチーズは、アルミホイルでお皿を作って、その上に載せましょう。食材はまとめてではなく、1種類ずつスモークするのがおすすめ。

③蓋をして、いよいよスモーク開始!

フライパンでスモーク中

チップから煙が出るまでは、強火で加熱。煙が出てきたら中~弱火に。およそ10分間で、あっという間に完成です!

ナッツは、噛んでいるとコクとスモークされた豊かな香りが口いっぱいに広がります。加熱後1時間程度放置して煙となじませると、より香ばしくなるそう。カマンベールチーズは、火が入ってとろりとした、上質感のある「スモークチーズ」になりました。レーズンは甘みが凝縮され、上品な洋菓子のような味わい。ザラメをからめてスモークしてもいいとか。

【中級編】リッチなお酒のつまみに! 燻製ステーキ

[味付け:あり/乾燥:30分/スモーク:10分]

燻製ステーキ

次は、いよいよステーキ! 肉の両面に塩胡椒をふって味付けし、風通しの良い場所でおよそ30分乾燥させます。ブランデーを使うと臭みがさらに和らぎます。

ステーキ肉を燻製

スモークの際は肉の脂がチップに落ちないよう、チップの上にアルミホイルをかぶせます。肉を入れる前に強火で加熱し、ある程度煙が出たら、肉をセットし弱火に。スモークし過ぎると肉が硬くなるので、10分程度のレアな火入れがベスト。こちらもあっという間に完成します!

水分が抜けてうまみが凝縮されつつ、やわらかくてジューシーなステーキに。さらに燻製によりウッドチップの香りをまとうことで、お酒に合う大人の味に仕上がります。お手頃なお肉でもおいしく食べられそう。

【変わり種】味に奥行きが出る、醤油・黒こしょう・オリーブオイル

[味付け:なし/乾燥:0分/スモーク:15分]

変わり種:醤油・黒こしょう・オリーブオイル

実は、醤油やオリーブオイル、黒胡椒などもスモークできるんです。方法は初級編や中級編とまったく同じ。耐熱容器に入れてフライパンに並べればOK。煙に触れる面積が広いほうがいいので、できるだけ平らな容器を使うのがポイント。中弱火で、約15分燻製をすれば完成です。燻製後は非常に熱くなっているので、取扱いには要注意。

  • 醤油……どんな醤油でもできますが、少し甘みのある出汁醤油がベスト。卵かけご飯に使うと絶品。

  • 黒胡椒……砕いたものより、ホールのほうが香りがつきやすい。モッツァレラチーズにベストマッチ。

  • オリーブオイル……スモークの香りが加わることで、味に奥行きが出て、オリーブのフレッシュなうまみが際立つ。パンにつけるだけで抜群のおいしさに。

スモークされたオリーブオイルにパンを浸す

おうちの台所で、想像以上に簡単に、わずか10分でできる燻製。普段のおつまみにはもちろん、いつものパーティにプラスしたら、歓声があがること間違いなし! 気になる方は、ぜひ挑戦してみてください。

 
監修:燻製道士
酒好きが高じて燻製にハマり、「燻製仙人」になるべく燻製の道をひた走る。自身のブログ「燻製記」は、燻製好きにとってのバイブル的な存在。『男の手作り燻製』(世界文化社)、『手作り燻製ハンドブック』(世界文化社)など燻製に関する著書も多数。
燻製道士が日々の燻製を綴ったブログ
-燻製記-
http://kunsei.livedoor.biz/

文: 田山康一郎

写真:向井規博

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