Foodie(フーディー)は、三越伊勢丹グループが運営する食のメディアです。

2015.11.19

骨までおいしい! 伊勢丹シェフが教える「さんまのコンフィ」レシピ

秋刀魚のコンフィ

さんまの季節。脂がのっておいしいため、ついつい多めに買いたくなりますが、生のままでは日持ちせず、冷凍するとせっかくのうまみも半減してしまうのが難点……。作り置きできて、かつアレンジも利くレシピがあればぜひ知りたいところです!
そんなオーダーに応えてくれたのが、伊勢丹新宿店 東信水産の上條八千代シェフ。

「おすすめは、さんまのコンフィです。『コンフィ』とは、低温のオイルでじっくり『煮て』いくフレンチの調理法のこと。フレンチと聞くと手間がかかりそうですが、実は意外に簡単なんですよ。しかも、きちんと保存すれば、冷蔵庫で10日間ほど日持ちします」

作り方のポイント

上條シェフのレシピのポイントは、次の2点のみです!

調理中の上條シェフ

【POINT 1】
準備する調味料は塩のみ! シンプルにさんまのおいしさを引き出す

「じっくり熱を通すので、さんま自体のうまみとハーブの風味がしっかりと引き出されます。調味料は、塩だけで十分おいしく仕上がります」

【POINT 2】
80~90度のオイルで、約3時間じっくり『煮る』

「高温になると身がパサついてしまうため、オイルの温度が80~90度の状態を保つようにします。揚げるのではなく、約3時間かけて煮ることで、骨まで食べられるほどやわらかく仕上がります。また、骨は食べられませんが、約30分煮込むことで身はおいしく食べられるようになります」

 

「さんまのコンフィ」のレシピ

秋刀魚のコンフィの材料

 

材料(4人分)

  • さんま(内臓をとり2~3等分したもの)… 4尾

  • ニンニク(スライスしたもの)…1かけ分

  • ローリエ…2枚

  • コリアンダー…ホール15粒程度

  • タカノツメ…2本

  • サラダオイル、オリーブオイル…各適量

  • 塩…適量
    ※ハーブ類は、お好みでローズマリーやタイムを入れても。

作り方

秋刀魚のコンフィのレシピ。水分をふきとり、塩をふった秋刀魚

①さんまの水分をふきとり、両面に塩をたっぷりふりかける

「余分な水分をふきとります。外側だけでなく、おなかの内側も忘れずに。身に塩をふりかけるときは全体にまんべんなくかかるよう、高い位置から両面にふりかけます。塩は、ミネラルが豊富なあら塩がおすすめです」

秋刀魚のコンフィのレシピ。冷蔵庫で寝かせた秋刀魚

②ラップを①にして、冷蔵庫で1時間寝かす

「塩分の浸透圧によって余分な水がたっぷり出てきます。水分が身に戻らないよう、バットの上に網やザルなどをかませましょう。1時間後、出てきた水分をペーパーでふきとります」

秋刀魚のコンフィのレシピ。鍋に入れた秋刀魚

③小鍋にサラダオイルを入れ、さんまを隙間なく並べる

「最初にサラダオイルを入れてからさんまを入れていくことで、さんまが鍋にくっつきにくくなります。またちょうどさんまの分量が収まるくらいの小鍋に隙間なく並べることで、煮崩れ防止にもなります」

秋刀魚のコンフィのレシピ。サラダオイルの上に、オリーブオイルを入れ、油でじっくりと煮る。

④さんまにかぶる程度にオリーブオイルを入れ、低温で煮ていく

「サラダオイルだけだとしつこくなってしまうので、オリーブオイルを上から静かに加えます。お好みでオイルの量の比率を4:6、7:3にするなど、調整してみてください。さんまの上にニンニクスライスとローリエ、コリアンダー、タカノツメをのせ、オリーブオイルを加えます」

オリーブオイルを加えたら、80~90度で、3時間じっくりと煮ていきます。

「オイルが100度以上になると、身がパサついてしまいます。オイルは温度が上がりやすいため、終始弱火で温めましょう。80~90度に保たれていれば、オイルが小さな気泡でかすかに泡立っている状態となります」

シューッという音が聞こえている場合は、温度が高すぎますので火力を調整しましょう。

⑤火を止めて、常温になるまで冷ます

「熱いままだと味が中まで浸透しません。鍋に入れた状態で火からおろし、そのまま常温になるまで自然に冷まします」

秋刀魚のコンフィのレシピ。容器に移した秋刀魚

⑥煮沸消毒した密閉容器に移し、冷蔵庫で一晩寝かせて完成

「さんまをオイルごと密閉容器に移し、冷蔵庫で一晩寝かせればできあがり。水、空気をしっかり遮断すれば10日間ほど日持ちしますよ」

レモンやすだちをしぼれば、さらにおいしくいただけます!

サラダ、パスタ、サンドイッチなどアレンジ自在!

秋刀魚のコンフィのアレンジ。秋刀魚のコンフィをのせたサラダ

シンプルな味付けなので、さまざまな料理にアレンジが可能。

「さんまのうまみがオイルにたっぷり出ているので、オイルごとパスタに使ったり、冷たいままサンドイッチにしたり、オイルであえたサラダにのせたりして楽しめます。幅広くアレンジできるので、おもてなし料理にもぴったり! まとめてつくっておくことで、節約レシピとしても優秀です」

さらに、コンフィのレシピはさんまだけでなくイワシ、まぐろなどでも応用できるそう。

さんまがおいしい季節、塩焼きだけだとちょっとマンネリかな……と感じたら、ぜひ「さんまのコンフィ」にも挑戦してみてください!

文: 斉藤彰子

写真:八田政玄

バイヤー・スタイリスト / 上條八千代
フードコーディネーターを経て、伊勢丹新宿店 東信水産の専属シェフとして勤務。毎週木・金曜日を中心に店頭に立ち、魚の扱い方をはじめ、魚料理のレシピを幅広く提案している。「好きな魚料理は煮つけ。家庭でもっと気軽に魚料理を楽しんでいただければと思っています」

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケット/東信水産にてお取扱いがございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

FOODIE 占い

人気のカテゴリー

閉じる